2020.06.28
老後も楽しく快適に。海外で進む “シニアの楽園”リタイアメントビレッジとは?
老後の幸せ。それは、「自分らしく、そして、自分にとって心地よく過ごせる場所はどこなのか」を探すことなのではないでしょうか。
ご両親もしくはご自身の介護の必要度が低いうちに、自分にとって心地よく過ごせる場所を選んでおくのも有効な選択肢。自宅で安心して暮らせる方法や在宅ケアを検討したり、高齢者向けの施設を実際に見学したりすることも必要です。
主体的な準備をして、あとから後悔しないためにも、さまざまな角度から検討する必要のある介護施設選びですが、海外には日本とは少し異なる老後の暮らしを提供する「村」があります。
それが「リタイアメントビレッジ」と呼ばれる、介護施設です。
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リタイアメントビレッジとは?
「リタイアメント・ビレッジ」とは、その名の通り、「老後を快適に暮らすための生活に必要な施設が揃った村」のような場所であり、一つのコミュニティのこと。
高齢者の方で、まだ介護が必要な段階ではないものの、その準備段階として入ることの多いそうです。
リタイアメント・ビレッジは、オーストラリアが特に発展していると言われ、一般には自立型と介護付きの二つの施設に別れます。
この施設の多くは私企業によって運営され、サービスの内容や入居費用、経費は運営者と入居者の契約によって行われ、法の規制は特にないと言われています。
では、リタイアメント・ビレッジの特徴はどんなところにあるのでしょうか?
それは、施設にもよりますが、スーパーマーケット、理容室、美容室、売店、医療施設などが周囲にあったり、部屋にはバスタブが備わっている施設もあり、施設の周辺一体だけでも、十分に生活ができる点です。
オーストラリアのリタイアメントビレッジ事例
海外のリタイアメントビレッジの事例としてよく挙げられるのは、先述したオーストラリアです。
例えば、オーストラリアのリタイアメントビレッジ「スワン・ヴィレッジ・オブ・ケア(以下、SVC)」の場合。
創始者のビジョンは「安全かつ地域から隔離されていない場所でコミュニティを作り、その環境下で生活の質を向上させる」ことで、コミュニティは安定した成長を続け、現在、平均1100人の居住者を有するまでの人気の施設となっているそうです。
インディペンデント・リビング・ヴィレッジと呼ばれる入居者が住む施設は、「55歳以上の人で、便利な住居、引退後の将来への保証、住居の手入れからの解放、必要なサービスやケアによる利便性などを求める人のために設計」された施設で、小規模でケアのしっかりしたコミュニティの中で、自立した生活様式を供給。
各ヴィレッジにはたくさんの住居スタイルがあり、選ぶことができると言います。
また、SVCのホームページによると、具体的な提供サービスは非常に幅広いです。
【SVCのサービス】
- 1交通:村の中にバスが停車し、施設周辺のショッピング街へ行ける
- 2郵便:郵便が個人の郵便箱へ届けられる。手紙を出すときは、SVCの中に設置されているポストから投函可能
- 3スーパーマーケット:居住者は施設内で買い物が楽しめる。たくさんの生鮮食品と生活雑貨もあり、居住者は自立した生活が送れる
- 4美容室:2つのサロンがあり、ヘアスタイルや美容に関するサービスを提供。おしゃれも楽しめる
- 5医療センター:センターには月曜から金曜まで医者が常駐など
日本にリタイアメントビレッジはあるのか
日本には、こうした介護施設はあるのでしょうか?
日本には「リタイアメントビレッジ」を謳う施設も散見されてきていますが、海外ほど発展していない印象があり、まだまだ発展途上といったところではないでしょうか。
幸せな老後を過ごすためのポイントとして、どこで生活するかは大きな関心事になります。
テレワークの普及により若い世代の利用者が増えた多拠点生活、実は高齢者世代にも利用されています。
拠点に長期滞在して夫婦で旅を楽しんだり、若い方々に負けないアクティブさで仕事をしたりと、シニア世代も多拠点生活を始める方が増えてきました。
老後に感じやすい孤独感を和らげたり、新たな生きがいを見つけることに繋がる、シニアのためのコミュニティ「リタイアメントビレッジ」。
今後、日本にどう普及していくのかにも注目していきたいと思います。
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