2020.08.11
プロに聞く!
「老人ホームを選ぶときに把握しておきたい7点」
このサイトをご覧になっている方は、老人ホームを探されている方が多いと思います。しかし、いざ施設探しに入るとその難しさを実感されるのではないでしょうか。
予算や立地だけでなく、介護度や認知症などお身体の状態もあります。入居というのは、他の入居者やスタッフの方々と一緒に過ごすことになるため、賃貸物件を探すよりもずっとハードになります。
この記事は、そんな「今から施設を探す」や「施設選びに苦戦している」方のためにプロに老人ホームを選ぶときのコツとポイントをお伝えするインタビューシリーズ第一弾です!
施設選びの相談やサポートをしてくれるアテンダントがいることをご存知でしょうか?
一人ひとり異なる条件の中で、彼らはどのように施設の選定をしているのでしょうか?
そこで我々編集部がお世話になっているアテンダントの槌井(つちい)さんに「老人ホームを探すときのポイント」を聞いてみました!
老人ホームを選ぶ際の「背景」は人ぞれぞれ
編集部員I:
槌井さん、今日はお時間いただきありがとうございます。
これから老人ホームを検討されている方に向けて知識の大放出をお願いします!
早速ですが、老人ホームへ入居するというのは今後の暮らしを左右する非常に重要な選択なので、“合わない施設への入居”だけは避けたいです。一般的には予算と立地から探すのかなと思うのですが、他にも選ぶときに知っておくべきポイントはありますか?
槌井(つちい)さん:
まず、一言で「老人ホームを選ぶ」といっても、その背景は人それぞれです。
急なケガやご病気で突然介護が始まったご家族が施設を探すケースもあれば、お一人の生活で家事などの日常生活に限界を感じてきたご本人が相談にいらっしゃるケース、病院から退院することになったけれど自宅では困難な医療介護が必要なケースなどなど、本当に様々です。
そこで、相談にいらした方々にいつもお伺いしている7点を紹介いたします。
施設選びのプロが教える7つのチェックポイント
1.現在の身体状況
主に要支援・要介護度のことです。
施設によっては対応可能のレベルが異なりますし、オススメする施設の種類もちがってきますので、必ず身体状況は確認しています。
2.(病気の場合は)医療依存度
入居予定の方が必要としている医療行為の対応ができるか、
看護師は日中いる施設が多いなか、24時間常駐している施設もあります。
またその医療処置の対応に慣れているかや訪問診療について、施設近くに必要な科目がある総合病院があるかなども重視します。
3.認知症の有無
認知症をお持ちのかたかそうでないかによってオススメする施設も異なりますし、症状の度合いによって施設内のフロアが異なることがあります。
認知症の方の場合は、やはりご家族が決断されるケースが多いです。
4.ご予算
子育てとは違い期間が読めませんし、長期を見据えたプランが必要です。
また、月額費用について、パンフレットやサイトなどには明確に出せない個人によって変わってくる費用もありますので、記載してある定額の料金の他に+4万円~5万円ほどみておくとよいとお伝えしています。
5.地域
ご家族が通いやすいエリアであることが重要です。
他にも、通院が定期的に必要なかたでしたら病院との距離も重要になるでしょうし、
周辺環境を含めなにを重視するか整理をしていきます。
6.入居予定の方はどのような方なのか?
今はどのような暮らしをされているのか?お一人で暮らしているのか、ご家族と離れているのか。また、どんな性格なのか、価値観やライフスタイルなども聞けるといいです。
7.趣味や好きなこと
趣味というと大袈裟ですが、ご本人がやっていて楽しいなと思えることや好きなことなど。施設によって特徴や方針があるため施設選びのヒントになります。
性格や趣味も施設選びの重要な要素に
編集部員I:
性格や趣味まで聞くのですか!
それはどうしてですか?回答によっては選ぶ施設が変わるのでしょうか?
槌井さん:
身体状況〜予算までの条件で大枠は決まるのですが、私としては最後の2点は把握しておくとよいかなと思います。
今の生活状況は、それまでの経緯もありますよね。もともとのご職業や、ご家族と同居されているのか独居なのか、住んでいるエリア、毎日の生活リズムや普段はどのようなお洋服で過ごされているのか。ご自身でこなせる範囲と介助が必要な部分。
ご家族の困りごとも伺うようにしています。それによって施設に求めるものが見えてきます。
他の入居者様の様子やスタッフの雰囲気など、合わない施設に入居してしまうとご本人もご家族も施設側もストレスとなってしまうためです。
性格を聞くのは、社交的な方なのか、お一人が落ち着くのか。趣味のヒアリングにも通ずるのですが、施設によってはレクリエーションの内容や頻度、特色もまちまちです。「実は昔こんな趣味があったけれど、具合が悪くなったので離れていた」と仰っていた方が、入居後に再びできるようになり「楽しみが増えた!」と喜んでいただける方もいます。
見守ってくださる方がいて、環境が変わると諦めていたことが可能になることもあるんですよ。
編集部員I:
自分の両親で考えると多少は分かっているつもりですが、15年以上も一緒に暮らしていないと最近の生活状況などは分からないですね。お恥ずかしい話、自分の父母それぞれの趣味は?と聞かれてもパッと出てきません。。
槌井さん:
離れていると普段の生活ぶりってなかなか見えないですよね。「最近のお母さんは編み物が楽しいと思っているんだ」「昔お父さんは土いじりが好きだったな」など過去も現在も知っておくといいですよ。もしかすると、お探しの地域から少し外れても相性のよい施設があるかもしれません。
条件も重要ですが、実際に入居されるご本人に“合う合わない”というのは非常に大切だと思っています。
編集部員I:
なるほどです。入居予定の方に合う施設に出会えれば、ご本人もご家族も入居前よりも幸せになれますね!
予め○年後に介護が始まると分かっている人はいませんし、常日頃からコミュニケーションをとっておくことが大切ですね。
今晩、親に電話してみようと思います!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
介護施設を探すとき、入居予定の方について知っておきたい情報は以下の7点です。
1.現在の身体状況
2.(病気の場合は)医療依存度
3.認知症の有無
4.ご予算
5.地域
6.入居予定の方がどのような方なのか?
7.趣味や好きなこと
施設をくまなく検索する前に、入居予定の方の状況をしっかりと把握することが重要ということです。
老人ホームの選び方のポイントとして、参考していただけたらと思います。
※豊富な知識と経験で、些細な悩みから相談にのってくれる槌井さん。
アテンダントに相談してみたいと思った方は、ぜひ下記へご連絡ください。