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槌井 渉

槌井 渉
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のむら ふじこ

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2021.02.24

【むせる高齢者への対処】|嚥下障害の関係性と食事がうまく飲み込めない原因を解説

むせこむ高齢者の写真


年齢と共に食べ物や飲み物を飲み込む力が弱くなり、高齢者ほどむせやすくなります。
お餅をのどにつまらせる極端なケースから、いつもの食事で食べかすがのどの奥に引っかかってむせかえるといったものまで、高齢者を持つ家族にとって食事時も心配が絶えないのではないでしょうか。

高齢者のむせこみは、場合によって生命の危険につながることも珍しくありません。

そこで今回は、高齢者がむせこむ症状の特徴や原因、対処法についてお伝えします。

もし目の前で高齢者がむせこみをしたとき、家庭でできる対処法を知っておけば家族で症状を取り除くことができます。また、日頃から予防法を取り入れると、飲みこみ力がついてむせこみを減らすこともできるでしょう。

むせる高齢者へ対処するには、正しい知識を知っていざというときに備えることが重要です。


以下、詳しくご紹介します。

1.高齢者がむせてしまった時の対処方法

 

もし高齢者が誤嚥でむせてしまったときは、できるだけ早く口やなどの食べ物を取り出さなければなりません。
次のような手順で対処しましょう。

※意識がないときはすぐに救急車を呼んでください。


【咳をさせる】
何度か強く咳をさせましょう。咳きこむことで、気管や鼻腔内に入り込んだ食べ物を外に出そうとする働きが生まれます。

【指で取り出す】
咳をしてもらっても治らないときは、口の奥へ指を入れて詰まっている食べ物をかき出します。

【背中をたたく】(背部殴打法)
背中をたたいて食べ物を取り出す方法もあります。
本人をうつむせにしてから、肩甲骨のあいだのあたりを強めに数回たたきます。
このとき、片手でみぞおちのあたりを押さえておくのがポイントです。

このほか誤嚥の対処法には「ハイムリック法」といって本人を後ろから抱きかかえたまま腹部を握りこぶしで突き上げる方法もありますが、衝撃が強いため高齢者には控えましょう。

2.高齢者がむせる原因と嚥下障害の関係

 

高齢者にとって、むせたり、のどをつまらせたりして呼吸困難になる誤嚥事故は、転倒事故や入浴中の溺死と同じように気をつけなければならない問題です。

実際、むせこみによって生じる誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因の多くを占め、日本人の死因の第6位で年間約4万人が死亡しております(*1)。
また、高齢者の肺炎患者の7割が誤嚥性肺炎です(*2)。

むせることは「嚥下障害」という難しい言葉とかかわりがあります。
そのため、ここからはまず、むせこみと嚥下障害の原因について簡単にみていきましょう。

むせこみは嚥下障害の症状のひとつ


ものを飲みこむ働きのことを医学用語で「嚥下機能」といいます。
つまり、嚥下障害とは、加齢や病気によって嚥下機能が低下する状態を指す言葉で、むせこみはその症状のひとつなのです。

食べ物をうまく飲み込めなくなると、のどの奥でものがつまりやすくなります。
そのとき、自然に備わった防御反応が働いて咳で外に出そうとするため、むせこんでしまうのです。



嚥下障害の特徴


ものを口に入れて飲みこんで、胃に送る働きが「嚥下」です。
食べ物や飲み物をうまく飲みこめられないようになる症状が嚥下障害です。

嚥下障害が重くなると、食事のたびにものをのどにつまらせやすくなったり、食事量が減って栄養不足におちいったり、健康に大きなダメージをもたらします。

具体的に、次のような症状が起きやすくなります。

・むせやすくなる
固形物と水分が混ざった食べ物でむせやすくなります。
みそ汁やお茶、お茶漬けなど、勢いよく気管に入っていきやすい食事は注意が必要です。
症状が進行すると、食べかすや唾液でもむせるようになります。

・よく噛めない
固形物をよく噛んで飲みこめなくなります。
食事が柔らかいものに偏ってしまうため、栄養のバランスが崩れていきます。

・食事量が減る
よく噛んだり、慎重に飲みこんだりしながら食事を取らなければならないため、食べることそのもので疲れてしまいます。
したがって、食事を残しがちになる高齢者も少なくありません。カロリーや栄養が不足しやすくなって、低栄養状態のリスクが高まります。

・かすれ声や痰がからむ
のどの働き が弱まるため、食事のあとに声がかすれやすくなります。
また、食べかすが口やのどに残って痰がからむと、しわがれ声やのどから絞り出すような声に変化します。

・低体重になる
食事量の減少で栄養のバランスが乱れる結果、筋肉や脂肪が落ちて体重が減少します。


このように嚥下障害とは、ただものを飲みこみづらくなるだけではなくて、栄養面や健康全般への悪影響を与える症状です。

嚥下障害に陥った際には、健康維持のためや要介護のリスクを低減させるために、高齢者にとって重要な栄養素を意識的に摂ることも重要です。


むせこみと嚥下障害の原因


むせこみとは、気管に入った食べ物や飲み物を誤嚥しないように咳で出そうとする働きです。嚥下障害の代表的な症状といえるでしょう。

嚥下障害の原因には大きく次の3つがあります。


(1)加齢による機能低下

年齢が進むと、噛んだり飲みこんだりするのに使われている筋力が衰えます。飲みこみやすい大きさまで食べ物を噛めないまま飲みこむと、のどでつまりやすくなっていきます。また、飲みこむ筋力が低下することで、食べ物が気管や鼻腔内など、食道以外の場所へと入りやすくなるのです。加齢による筋力の衰えは個人差があるため、人によって症状の出方にちがいがあります。


(2)病気による機能低下

口腔ケアが十分でないと口内炎や虫歯、歯槽膿漏などが起きやすくなり、口やのどの痛みや違和感で嚥下しづらくなります。また、脳梗塞や脳出血など脳血管障害によって嚥下機能を司る脳の部位に損傷を受けたり、口やのどに麻痺が残ったりしたときも、嚥下障害が発生します。このほか、パーキンソン病やリュウマチなどの神経筋疾患、認知症といった高齢者に多い病気も嚥下障害につながります。


(3)心理的原因

神経性胃炎やストレスによる自律神経失調症や心身症などで、のどのつまりや胃の不快感から飲みこみづらくなる高齢者もいます。

3.食事がうまく飲み込めない…高齢者のむせこみ・嚥下障害の予防策と治療法


食事は高齢者にとって毎日の大きな楽しみのひとつです。
そのため、むせこみを防いで、食事がうまく飲み込めない嚥下障害を軽くするようなアプローチが大切です。


むせこみの予防策


食事でむせこみを防ぐには、食事内容と食事環境に気をつける必要があります。
次の表を参考にして、予防策を取り入れましょう。

食事内容に関する予防ポイント

気をつける食品 みそ汁やお茶、肉や練り物製品、繊維質の多い野菜、パンやクッキー、イモ類、わかめ・のり、青菜類、もち・だんご、酢の物、オレンジジュース、ナッツ類など
おすすめの料理 ハンバーグ、クリーム煮、刺身、魚のつみれ、温泉卵、豆腐、煮物、ポテトサラダ、粥、フレンチトースト、あんかけうどん、ヨーグルトなど
料理のポイント 煮る・蒸す・つぶす・するといった調理法で硬い食品はやわらかく小さくする、片栗粉やとろみ剤でとろみをつける、マヨネーズやドレッシングでとろみをつける、パサパサする食材は水分を足す



食事環境に関する予防ポイント

食べ方 ゆっくりと少量ずつよく噛んで食べさせる、食べながら飲み物を飲まない、テレビを観ながらや会話をしながらの食事は避ける
イスで食事するときの姿勢 背中は90度に立てて足は床につける、やや前かがみでお腹とテーブルのあいだに握りこぶしひとつ分空ける、テーブルの高さはヒジを曲げたときと同じ位置で
ベッドで食事するときの姿勢 リクライニングを調整して背中の角度を食べやすくする、オーバーテーブルを利用する、頭や腰、膝、足の裏にクッションを当てて姿勢がズレないようにする



むせこみを克服と嚥下障害の治療法


・嚥下リハビリ

のみこむ働きを取り戻して、むせこみを防ぐには、ご家庭ですぐにトライできる嚥下リハビリを取り入れましょう。

歌を歌ったり早口言葉の練習をしたり、いつも声を出すようにすると口やのどの筋肉や腹筋が鍛えられます。

また、お風呂に入っているとき顔から首にかけて手のひらでやさしくマッサージしていきましょう。

のみこみに使う筋肉のハリやコリをとってむせこみを予防します。

・嚥下障害の治療法

嚥下造影検査や内視鏡検査の結果をもとに、痰を出しやすい方法や食事時の姿勢を指導する口腔外科や歯科も増えてきました。
昭和大学歯科病院 口腔リハビリテーション科

家庭でできる嚥下リハビリを指導するほか、飲みこみやすくなる特殊な義歯や嚥下補助装置を作る場合もあります。

4.まとめ


ここまで見てきたように、むせこみは高齢者の食事中に起きやすくなる嚥下障害のひとつです。
加齢によってものを飲みこむ力が衰えと、誤嚥が増えて誤嚥性肺炎のリスクも高まります。

嚥下障害の特徴を知って、日頃から高齢者がむせこみをしないように食事に注意を払いましょう。
また、嚥下リハビリなど家庭で簡単にできる方法を使って、嚥下機能を高めることも大切です。

嚥下障害の症状である高齢者の食欲不振を改善するのにもつながります。
食欲不振について、以下の記事で詳しく解説しています。

是非こちらも参考にしてみてください!

 
 
*1 厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
*2 大類孝「超高齢社会における誤嚥性肺炎の現状」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/50/4/50_458/_pdf

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