2020.10.26
プロに聞く! 「高齢者・シニア向け介護施設見学の際に確認すべきポイント」
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見学の必要性
編集部員I:
槌井さん、今日もよろしくお願いします!
前回の「老人ホームを選ぶときに把握しておきたい7点」では、入居予定のかたのどんなことを知った上で探すとよいか?が分かりました。
さて、実際に施設を探しはじめていくつか候補を絞ったあとは見学に行くと思うのですが、そもそも施設見学は必要なのでしょうか?入居予定のかたご本人が行けない場合でも、家族だけで行くべきですか?
槌井(つちい)さん:
はい。 「絶対に見学してください!」と断言できるほど、見学は重要です。
いくらパンフレットやサイトを見ていても現地へ行ってみると想像していた雰囲気と異なることもありますし、実際に入居されているかたの年齢層や身体状況なども確認できます。
また、施設側としてもミスマッチを防ぐため、見学せずに入居契約を交わすということは少ないですね。
編集部員I:
確かにミスマッチは避けたいです! というか、それが一番怖いのでしっかり見極めたいです。 入居したらこれから一緒に過ごすことになるのですから、マナーを守って見学したいですね!
では、いざ「ご家族が見学へ行くときに確認しておきたいポイント」についてプロからのアドバイスをいただけますでしょうか?
予約申し込みの注意点
槌井さん:
普段、私どもアテンダントは見学に同行しますが、今回はご家族だけで見学に行くことになった場合を想定してお話いたしますね。
● 予約は必須
まず、見学してみたいと思ったら必ず予約はしてください。
予約はココシニアの予約フォームからでもよいですし、どうしようかと悩んでいたらアテンダントにご相談ください。
● 施設は複数見ること
また、1施設だけでなくいくつかの施設を見てからご判断いただくことをおすすめします。
条件だけに縛られず、少し条件を緩めても他施設と比較すると優先順位が見えてくると思います。
● 時間帯は?
時間帯は10時~14時が理想です。
特に午前中は、体操やレクリエーションなど共有部いらっしゃることが多いですよ。
重ねて、私はいつも施設見学とセットで試食をおすすめしています。食事は入居後の楽しみのひとつでもありますし、スタッフが食堂へ案内している様子や介助の様子も確認できる時間だと思います。
● 人数は?
同じ案内をされても人によって気付きがありますので、できれば複数人で見学されるとよいでしょう。
● 見学前にやっておくこと
あらかじめパンフレットや重要事項説明書(以下、重説)などの情報は知っておきましょう。
当日確認することは、それらに記載のない部分です。限られた時間のなかで必要な情報を得るためには予習しておくとよいでしょう。
見学するときのチェックポイント
編集部員I:
見学当日、プロからのアドバイスとして“意外なポイント”などありますでしょうか?
槌井さん:
人によってチェックポイントは異なると思いますが、全体として言えることとして以下は押さえておきましょう。
● 施設の周辺環境(アクセス・緑の多さ・お散歩コース・病院など)
● スタッフの人柄、表情や動き、入居者への話し方など(挨拶、笑顔、身なりなど)
● 入居者の表情、年齢層や身体状況がご検討者と近いかどうか
● 夜間体制や緊急時など介護の手厚さ
● 居室・共有部の清潔感や匂い
編集部員I:
ついつい建物の雰囲気や住環境を優先してしまいますが、“人”も大切だと思います!
どんなひとが入居しているのか? 働いているのか? 性格や価値観が合うのかどうかって一番重要ですよね。
また、入居後の身体状況が変化することも考えて、重説やパンフレットでは分からない不明点や不安な部分は潰しておきたいですね。
槌井さん:
そうですね。
パンフレットに載っていない金額というのもありますので、そこも聞いておきましょう。
前回も少し触れましたが、毎月の定額以外にかかってくる費用があるんです。
介護保険の自己負担分額は記載している場合もありますが、訪問診療代やお薬、おむつ代、光熱費、レクリエーション費などの諸雑費がいくらかかるのか?
だいたい定額+4〜5万/月ほどかかると思っていてよいかと。
入居予定のかたの介護度にもよりますので、詳細の金額も聞いておきましょう。
お金は大切ですからね!
編集部員I:
そうでした! 月額以外にも費用がかかるんでした。
施設に何年住むのか見通しは立てにくいので、いったい毎月いくらかかるのかは把握しておきたいですね。オカネタイセツデス…(切実)
他にも確認することはありますか?
見学時にかならず確認したいこと
槌井さん:
条件は一人ひとり異なりますのでまだまだ細かいものはありますが、私は以下2つも確認しています。
● 施設から家族にお願いされることは何か?
例えば、通院が必要な場合の付き添いは施設側? それとも家族?
入院したときのサポートは誰? そもそも訪問診療の先生で対応できるのか、疾病にもよります。
● 個別対応のリクエスト
例えば、「お風呂の回数を増やしたい」や「たくさん散歩したい」「貴重品の管理を任せたい」、認知症であれば「日中はスタッフの目が届きやすい場所に出してあげて欲しい」「ヘルパーステーションから近い部屋にしたい」などなど。
リクエストがある場合は、あらかじめ相談しておきましょう。
ただ、知っておいていただきたいのは“施設として対応が可能なこともあれば不可能もある”ということです。
例えば、入浴頻度の追加希望する場合「1回につき1,000円」などオプションになることもあります。ではオプションをお願いしたら毎週必ずやってくれるのか?というと、状況によってはできないケースもあるのです。施設スタッフがやりたくないという訳ではなくて、すべて応えることができないときもあるということです。
見学では、入居後に「やってくれるものだと思っていた…」といったギャップが発生しないようにしておくことが大切ですね。
費用内でできること、オプション費を払ってできること、施設で対応が難しいこと、を知っておきましょう。
実際に見学へいくと現状では予測がつきにくいこともありますので、そうしたときにアドバイスや代理質問を行うのが我々アテンダントの役割でもあります。
編集部員I:
なるほどです。これはなかなか深い話ですね。
追加料金を支払えば受けられるサービスもあれば、お金を払っても対応しきれない部分もあるんですね。両者にとって幸せになれないことを要求しても仕方ないということ。
仮に両親が施設に入居したからといって家族が完全に手放しになるという訳ではないし、施設のスタッフにも笑顔でケアいただきたいですもんね。
なにが幸せなのか? ということを考えさせられました。
ご家族、ご入居者、スタッフ、みんなが笑顔になれるように利用することができるといいですね。
ココシニアでは予約フォームから簡単に施設予約が可能です。
悩んでいるときは実際に見学へ行ってみるのが一番だと思います。
本当に入居すべきなのか? この施設でよいのか? など、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
また、アテンダントページから施設見学を申し込むと本記事の槌井さんが対応してくれますよ!
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