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槌井 渉

槌井 渉
つちい わたる

介護施設の⼊居相談歴10年以上の経験があります。
最新のデータと約1,000施設に⾜を運んだからこそわかる現地の雰囲気や施設の評判も重視してご提案しています。
施設を探し⼊居することは、本⼈・家族の気持ちの問題、施設の空き状況と⼊居のタイミング、持病や認知症の症状、予算など様々なことが関連し決して簡単ではありません。
だからこそプロの私たちがご本⼈やご相談者に寄り添い、わかりやすく情報をご提供できたらと思っています。

野村 富⼠⼦
のむら ふじこ

有料⽼⼈ホームの介護現場でヘルパーとして勤務経験あり。
医療⾏為が必要な⽅をはじめ、認知症の⽅も沢⼭対応してきました。
現場で聞いてきたご本⼈やご家族からの要望や不安の声、そして感謝の⾔葉。今もこの声を思い出しながら、お客様に安⼼してお過ごしいただけるよう、その⽅に合った施設をご提案しています。

AIココちゃんに聞いてみる

「AIアシスタントココちゃんに聞いてみる」では、ココちゃんが⼊居者さまの⼈柄や性格を知るための10個程度の質問をします。その質問によってココちゃんが考えて、⼊居者さまに相性の良い施設を提案してくれます。

ココちゃんからの10個の質問

入居者さまのことをよく知るための、4択で答えられる10個の質問をします。

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  • “身だしなみが整うと、自信を持って生きられる”。シニアに寄り添うソーシャルベンチャーが目指す未来(前編)

2021.01.04

“身だしなみが整うと、自信を持って生きられる”。シニアに寄り添うソーシャルベンチャーが目指す未来(前編)

美容施術を受ける高齢者の写真

 

28.1%。これは、「令和元年版高齢社会白書」で発表された、2018年10月1日時点の日本の高齢化率です。

日本の高齢化率は年々上昇しており、このままいくと2065年には38.4%にまで上昇すると推計されています。国民の約2.6人に1人が、65歳以上の高齢者となるのです。超高齢社会が到来してしまった日本では、現役世代も高齢化問題と真剣に向き合わなくてはなりません。

 

老後の時間がまずます長くなっていく中で、その時間を幸せに過ごしていくためにはどうすれば良いのでしょうか?今回は、「生きることを最後まで、楽しむことができる社会」を目指して、シニアの課題解決を中心とし、訪問美容やワークショップの開催など幅広い事業を展開しているソーシャルベンチャー、ディチャーム株式会社の代表取締役の大久保智明さんにお話を伺いました。

 

前編では、大久保さんが起業に至った経緯や展開するシニア向けの事業について、その中での印象的な出来事などをご紹介していきます。

おばあちゃんの髪を切ったら、涙を流して喜ばれた

ディチャーム大久保さんの写真

――まず、大久保さんがディチャームを創業しようと考えたきっかけをお聞かせください。

 

大久保 智明さん(以下、大久保さん):私は高校生の頃から、社会問題をビジネスで解決したいと思っていました。でも、何をすればいいかわからなかったんです。大学在学中に「起業するなら公認会計士の勉強をしておくと良い」と勧められたので、とりあえず勉強していました。

 

そんなとき阪神淡路大震災が発生し、勉強どころではなくなってボランティアをしていました。そして震災発生から約1年経った頃、当時通っていた美容室のオーナーに「自分もボランティアをしたいから、美容のボランティアを考えてほしい」と相談されたんです。そこは若者向けの美容室だったこともあり、仮設住宅で若い人の髪を切るボランティアをしようと考えました。

 

しかし実際に行ってみた仮設住宅では、震災から1年経ち、若い人がどんどん出て行かれている一方で、残されているのは高齢者ばかりだったんです。その現地の様子を知り、高齢者を主な対象にして活動を行なうことにしました。

 

すると現地で目の前にしたのは日本昔話に出てくる「やまんば」のように、髪がボサボサのおばあちゃんたち。みなさんどこか無愛想にも見え、その時は正直なところ、美容には興味がなさそうに感じ、このボランティアは無用だったかなと思いました。

 

しかし、髪を切るとおばあちゃんたちの顔つきが一気に明るくなったんです。髪を切り終わったら、みなさん涙を流して喜んでくれました。最初はおばあちゃんたちから無愛想な印象を受けていましたが、そうではなく、それは今の自分の見た目が良くないと本人が気後れしていたからなんですね。私たちも、身なりが整っていない状態で人に会いたくないですよね。それは、おばあちゃんたちも同じだったんですね。被災の苦労、そして美容院になど行けず、本来の自分ではない姿に自信が持てないから、暗くなってしまった。髪の毛が整えられないだけで、人はこんなに自信がなくなるものなんだと目の当たりにしましたね。

 

たかが見た目ですが、されど見た目だったんです。人が自信を持って生きていくために、身だしなみはとても大事なものなんだと気付かされました。

 

――高齢者にとっても美容が重要だと感じたことが、創業につながるんですね。

 

大久保さん:はい。また同時に、おばあちゃんたちは仮設住宅にいるから困っているのではなく、以前から困っていたんだと話してくれたんです。「足が悪くなってから、駅前の美容室やスーパー、コンビニへ行けなくなった」、「電車に乗ってお芝居を見に行くことも、趣味の活動をすることもできなくなった」。ちょっと足が悪くなった高齢者は、私たちが当たり前に使っているサービスからどんどん断絶されてしまうと気付きました。

 

これではせっかく長寿になっても、人生最後の10年間部屋にこもってテレビを見るしかないかもしれない。それはあまりにも辛いですよね。私は社会問題をビジネスで解決したいと考えていたので、あらゆるサービスから高齢者が断絶されてしまうという大きな問題を解決するビジネスをつくろうと決意しました。

事業をしながら高齢者のニーズを聞き取り、サービス拡大

――美容のボランティアをしてから創業するまでの経緯をお聞かせください。

 

大久保さん:ボランティアをした段階ではどうやって会社をつくれば良いのかわからなかったので、公認会計士の勉強を続け、まずは監査法人に就職しました。3年間会社をつくる方法やビジネスのやり方を学んでから、起業に至りました。創業は2000年で、会社設立は2002年ですね。

 

――御社の事業内容について、教えてください。

コロナ禍以前の美容サービスの写真※現在は徹底した新型コロナウィルス感染症対策の上、施術を行なっています。(写真はコロナ禍以前の美容サービスの様子)

大久保さん:当社は、「生きることを最後まで楽しむことができる社会」を目指し、シニアが楽しいと思えるサービスを増やす事業を展開しています。2020年12月現在で手掛けている事業は大きく4つあり、訪問美容、シニア向けサービスの開発、訪問歯科事務代行、シニア向けビジネスのコンサルティングです。顧客は10万人ほどで、2500ほどの高齢者施設と取引があります。

 

――起業されたときから、事業のアイデアはあったのでしょうか?

 

大久保さん:美容事業は最初からありましたが、その他は事業をやっていくなかで顧客のニーズを聞き取りながら、サービスを広げていきました。高齢者はすごくたくさんの困りごとを抱えていると知り、今後ますます進む高齢社会で、その問題を解決する様々なビジネスができると思ったんです。市場に飛び込み、もがきながら事業をつくっていきましたね。

ママさん美容師の活用によりニーズをマッチングさせた美容事業

――現在、特に注力している事業はありますか?

 

大久保さん:やはり、創業のきっかけとなった美容事業には特に注力しています。美容によって高齢者の方が自分らしく、笑顔になれるお手伝いをするという目的はもちろんありますが、私たちのビジネスにはもうひとつ、「ママさん美容師の雇用機会の創出」という目的があります。

 

美容師は基本的に、忙しい仕事です。土日や平日の夜は特に忙しいので、若い頃に美容師としてキャリアを積まれた方が結婚・出産をしたあと、子どもを預けて働くのが難しいんですよね。子どもを預けられず10年ほどのブランクを挟み、40歳くらいで再び美容室で働こうと思っても、難しい現実があります。せっかく若いときにキャリアを積まれ、美容師としての志が高い方たちの活躍できる場がない。とても残念なことです。

 

しかし、私たちの訪問美容は、高齢者施設の入居者の方を対象としており、施設側の希望日に合わせ、エリアや担当施設によって稼働できる美容師をアサインし、チームで調整をしています。お客様は後期高齢者が多く、お元気な方もいらっしゃいますが、身体的に制限のある方もおり、施設スタッフの方との丁寧なコミュニケーションのもと、丁寧さや細やかな配慮など、単なる美容技術だけではないところが要される現場です。、そのため私たちは、美容師の方々がそれまでの経験を活かすだけではなく、新しいキャリアの創出の場としても提供できていると思っています。高齢者の髪を切る熟練の美容師の経験が必要で、ママさん美容師も働き口を探しているので、良いマッチングができているんですね。介護の現場では無償でのサービス提供を求められがちですが、美容師さんたちもプロとしてきちんとお金をもらえる仕組みは持続性の点からも大切だと思います。

 

――美容事業を展開することで、何か新しい発見はありましたか?

 

大久保さん:美容師さんが高齢者の方と1対1でコミュニケーションを取ることで、新たなニーズが見えてきました。以前、美容師さんがあるお客様に「おしゃれな服を持ってきてほしい」と頼まれたことがあったんです。そのお客様は娘さんが買ってくれた素敵な服を着ていたんですが、いわゆるお年寄りをイメージした服ばかりなので、もっとかわいい服が着たいという希望を持っていたんです。

 

「おばあちゃんだから、こういう服を着るだろう」というラベリングをしてしまうと、本当のニーズがこぼれ落ちてしまいます。顕在化していないたくさんのニーズを拾ってあげることも、私たちの役目ですね。

 

だからこそ、美容師の方たちには「あなたの仕事は髪を切るだけでなく、コミュニケーションをすること」と伝えています。施設にいる高齢者の方にとって、30分ほど好きなことを話して聞いてくれる外部の人の存在は貴重です。そのため、みなさん美容師さんとのコミュニケーションを楽しんでくれます。(※現在は新型コロナウィルス感染症対策に基づき、会話は極力控えた施術を行なっております。

 

その結果、美容師さんがお客様の好みなど活きた情報を持っているので、今後はそれらの情報を活かしたサービスも展開していきたいですね。

 

 

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