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槌井 渉

槌井 渉
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2021.03.25

老老介護・認認介護の現状。問題点と対策を知って、共倒れを防ごう!

車椅子に乗った高齢女性と車椅子を押す高齢男性の写真

60代を超えると、介護について考える機会が増えたという人は多いことでしょう。

高齢化の進む日本において深刻な社会問題となっているのが老老介護です。

この記事を読むことで、老老介護についての現状や問題点を知ることができます。

また、老老介護の対策・解決策についてしっかり紹介しておりますので、よりよい老後を送るために役立ててください。

1.そもそも老老介護とは


まずは、老老介護と認認介護の基礎知識についてみていきます。
老老介護は誰しもが陥る可能性があるので、しっかりと把握しておきたいところです。


老老介護とは、高齢者が高齢者を介護すること


老老介護とは、「65歳以上の高齢者」が、「65歳以上の高齢者」を介護することをいいます。
老老介護は、高齢の夫婦間だけでなく、高齢の子どもが高齢の親を介護するケースもあります。

また、高齢化の進む日本では、介護者、要介護者共に75歳以上という超老老介護のケースも多くみられます。


認認介護との違い

認認介護とは、老老介護のなかでも、認知症を患う要介護者を、認知症を患う介護者が介護していることをいいます。

また、介護する側が老老介護を続ける期間を経て認知症を患い、認認介護に陥るケースもありますが、介護する側がはじめから認知症を発症しているケースもあります。

厚生労働省が公表している認知症の人の将来推計によると、認知症患者の数は、2025年までに700万を超えるといわれており、これに比例して認認介護の世帯数も増えることが見込まれまております*1。

2.老老介護が生じる原因


老老介護を行うケースが増えていますがそれはなぜでしょうか。
この原因について以下、詳しくみていきます。


原因1:高齢化


高齢化は、日本の深刻な社会問題です。

高齢化と老老介護の関係性を考えるうえで重要なポイントになるのが、平均寿命と健康寿命です。
健康寿命とは、介護を必要とせず、自立した生活を送ることができる期間のことをいいます。

厚生労働省が発表した「令和元年簡易生命表」によると、日本の平均寿命は、男性が81.4歳、女性が87.4歳と、年々伸び続けています*2。
また、健康寿命は男性が72.1歳、女性が74.7歳と発表されています。

平均寿命から健康寿命を差し引くことで、介護を必要とする年数を導きだすことができます。

健康寿命は、平均寿命よりも男性の場合は9年、女性の場合は12年も短くなっており、つまり、一生のうち介護を必要とする期間は、平均すると約10年間と考えられます。

平均寿命と健康寿命が伸びることで高齢化が進み、それに伴って老老介護も増えていくのです。


原因2:核家族化

核家族世帯とは、「夫婦のみ世帯」、「夫婦子世帯」、「ひとり親と子世帯」をまとめていいます。
総務省が公表している、人口動態の変化では、核家族世帯は今後も増えていくことが予測されています。

単独世帯を含まない親族世帯の中で、核家族世帯の占める割合をグラフで示します(図1)。
親族世帯とは、世帯主と親族関係の人がいる世帯のことをいい、 親族関係の人とは親や兄弟、その配偶者だけでなく何親等で表される人も含みます。

親族世帯数に占める核家族世帯数の比率の推移図1 親族世帯数に占める核家族世帯数の比率の推移
(出所:総務省「人口動態・家族のあり方等 社会構造の変化について」)

https://www.soumu.go.jp/main_content/000452791.pdf


グラフからわかる通り、親族世帯数における核家族世帯数は、1990年あたりから増え続け、2020年では86.7%も占めております。

次に、高齢者の世帯構造についてみていきましょう。

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、65歳以上の人は、3763万1千人と発表されています。
65歳以上の人のいる世帯は、日本の全世帯の49.4%(2558万4千世帯)と、約半数にも及びます。
高齢者世帯の世帯構造は以下の通りです (図2)。

高齢者の世帯構造を示すグラフ図2 高齢者世帯の世帯構造
(出所:厚生労働省「世帯数と世帯人数の状況」)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/02.pdf
その他の世帯とは、「親と未婚の子のみの世帯」及び「三世代世帯」を含みます。

グラフから高齢者世帯の構造は、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」がそのほとんどを占めていることがわかります。

子どもと親が離れて生活していると、親が要介護者になった場合に、子供が介護することは容易ではありません。

親から離れて暮らす子供が増え、高齢者の世帯構造が「夫婦のみの世帯」が多くなった結果、高齢の夫婦間で介護するケースが多くなっているのです。


原因3:貧困化


金銭的に余裕がない場合、十分なの介護保険サービスを利用することを選ばずに、老老介護しているケースは少なくありません。

厚生労働省の「相対的貧困率等に関する調査分析結果」によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の貧困率は27%とされています*3。

貧困率とは、所得が国民の平均値の半分にも満たない人の割合です。
つまり、高齢者がいる世帯の4世帯に1世帯が貧困ということになります。

貧困により、介護施設に入る資金が不足している場合も、老老介護の原因となります。

3.論文や厚生労働省の調査からわかる老老介護の現状


老老介護の現状はどのようなものになっているのでしょうか。
論文や厚生労働省の調査データをもとに、老老介護の割合、主な介護者の構成、認認介護の世帯数について詳しく解説していきます。


老老介護の割合

実際に、老老介護はどのくらいの割合を占めているのでしょうか。
厚生労働省の国民生活基礎調査で明らかになった、老老介護の割合は以下の通りです(図3)。

年齢別にみた同居の主な介護者と要介護者等の割合の年次推移図3 年齢別にみた同居の主な介護者と要介護者等の割合の年次推移
(出所:厚生労働省「国民生活基礎調査の概況 Ⅳ介護の状況」)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/05.pdf


65歳以上の要介護高齢者がいる世帯の54.7%が介護する側も65歳以上であり、老老介護であることがわかります。
要介護者と介護者共に75歳以上という世帯は30.2%を超えています。

つまり、65歳以上の要介護者を、高齢者が介護している世帯が半数以上に及ぶのです。
また、「75歳以上同士」の超老老介護の割合が、年々増加傾向にあることがわかります。


主な介護者の構成割合


内閣府が公表している、「平成29年版高齢社会白書(全体版)」によると、主な介護者の構成割合は以下の通りです(図4)。
介護の構成者の割合図4 主な介護者の構成割合
(出所:内閣府「 平成29年版高齢社会白書(全体版)」)

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_3.html


要介護者等からみた介護者の続柄は、「同居する人」が全体の60%を占めています。
また、主な介護者の続柄で最も多いのは、「同居の配偶者」で26.2%、次いで「同居の子」が21.8%、「同居の子」の配偶者が11.2%を占めています。

「同居する人」の年齢と性別をみてみると、女性が68.7%を占めているうえ、「60歳以上の女性」の割合は64%となっています。

つまり、高齢の妻が、高齢の夫を介護するケースや、高齢の子どもが、高齢の親を介護するケースが多いことがわかります。


認認介護の世帯も増えている


高齢化が平均よりも約10年早く進んでいる山口県で、認認介護世帯がどの程度いるのか予測することを目的とした大規模な調査が行われました*4。

この調査の結果、老老介護世帯の、「どちらか一人が認知症」は51.5%、「二人とも認知症」は10.4%の割合を占めていることがわかりました。

つまり、老老介護世帯のおよそ10組に1組は認認介護を行っていることになります。

4.老老介護の問題とリスク


要介護者の立場で考えると、他人よりも妻や夫、子供などの身内に介護してもらう方が、安心感を得ることでき、要介護者にとってはメリットがあるように思います。

ではなぜ、老老介護が問題なのでしょうか。

その問題点とリスクについて以下で解説します。


老老介護における問題点

● 精神状態の悪化
過度なストレスが溜まりやすくなる。
うつなどの精神疾患に陥る危険性がある。
虐待に陥るケースもある。また、お互いに虐待に気づいていないことも。

● 1日のほとんどを介護で終えてしまう
社会的接点が少なくなる。
プライベートな時間をとれなくなる。
脳機能の低下に繋がる。

●共倒れのリスク
体力が持たなくなる。
精神的負担に耐えられなくなる。
介護者がいなくなってしまう。

●怪我のリスク
移動時の転倒、転落の危険性がある。


認認介護における問題点

●食事の管理ができない
食事の用意ができなくなり、栄養失調に繋がる。
食べたことを忘れ、過食を引き起こすことに繋がる。
水分摂取ができず脱水症状に陥る危険性もある。
また、体調が悪いことに気づかないことがある。

●お金の管理ができない
電気代や、ガス代などの生活費を支払えなくなる。
振込や引き落としができなくなる。
お金を不要な買い物に使ってしまう。

●服薬管理ができない
薬の服用頻度がわからなくなる。
薬の飲み間違いにより命の危機に晒されることも。

●緊急時の対応ができない
災害に気がつかない可能性がある。
緊急時どこに連絡をすればいいかわからなくなる。

●火事のリスク
火をつけっぱなしででかけるなど、火の始末ができなくなる。

5.心中や殺人事件が起きることも


2020年10月、香川県丸亀市で起きた痛ましい事件があります*5。

77歳妻が、82歳夫の首を電気コードで絞めて殺害した疑いで逮捕されました。

警察に対し妻は、「夫を殺して私も死のうと思いました。」と供述しており、心中を図る予定だったことがわかります。

77歳女性がひとりで、認知症を患う82歳男性を介護することは容易ではありません。
この事件は、認知症を患う夫の介護疲れが原因です。

このように、老老介護が原因で心中や殺人事件に繋がる危険性もあるのです。

6.老老介護の対策と解決策


老老介護を対策・解決するのに最適な方法についてみていきます。


介護保険サービスをうまく活用する


介護保険サービス活用することで、個々に合わせたサポートを受けることができ、介護者の負担を減らすことに繋がります。

訪問介護では、食事、排泄、入浴などの身体的介助に加え、部屋の掃除や通院時のサポートまで行ってくれます。
デイサービスや訪問介護サービスを利用することで、介護者の負担が軽減されます。

また、デリケートなケアを行うことから外部からのサポートを拒否することもありますが、積極的にサービスを活用することが重要です。

介護保険制度の基礎知識を抑えて、いざ制度を利用したいという時に備えましょう。


地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターは、高齢者を支えるための総合窓口で、大きく分けて4つの業務を行っています。

介護予防の支援や、高齢者の抱える悩みに対し相談に応じる総合相談支援業務、また、虐待に対しては権利擁護をしています。

そして、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けるために、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進しています。

地域包括相談センター職員は、介護計画や相談に乗るプロです。

共倒れの恐れのある人や、金銭的理由から介護保険サービスを利用できない人は、ひとりで悩まずに、介護のプロに相談することが重要です。


介護予防、リハビリを行って健康を保つ

介護が必要にならない状態を保ち続けることも老老介護の対策のひとつです。

また、介護が現在必要な場合は、これ以上負担を増やさないようにしたり、身体機能を取り戻したりするためにも、リハビリや運動を行いましょう。

リハビリの特徴や効果的なリハビリ体操を把握することで、重症化を防ぐことが大切です。


子どもや親族に頼るのもひとつの方法です

老老介護で問題が生じたときは、子供に頼るのもひとつの方法です。
子どもに介護されることに抵抗感がある人は少なくありません。

しかし、共倒れのような深刻な状況に陥る可能性があるので、早めに話し合うことが大切です。
また、兄弟や姉妹で親の介護をしている人は、他の親族にも相談し、みんなで状況を把握し、情報を共有することが重要です。

子どもよりも、兄弟や親戚のほうが話せることが多い場合もあります。
子どもや親族の力を借りることで、介護者の負担の軽減が見込まれるため、積極的に頼るべきです。

7.まとめ


65歳以上の要介護者の半数以上を、高齢者が介護しているのが現状です。

老老介護の深刻な問題として挙げられる「共倒れ」になる前に、自治体の福祉窓口や、地域包括センターなどに相談することが大切です。

また、子どもや親族を頼り、状況を共有することで介護者の負担を減らすことに繋がります。

老老介護の現状や問題点を再認識し、個々に合った適切な対策や解決策を講じることが、よりよい老後生活に繋がります。

それでも、介護に追われて行き詰まったり、悩み事を抱えたりすることも時にはあるでしょう。
そんなときに頼りになるのが介護ブログです。

「よその家庭では、どのように介護を行っているのだろう」といった疑問を解消したり、役立つ情報を収取したり、人々とつながったり活用方法はさまざま。

介護の悩み事やもやもやする気持ちを解消するためにも有効な方法です。

家族介護をテーマにしたブログ、介護士が書くブログ、認知症・ALS患者本人が書くブログをランキング形式でご紹介しております。

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渡口さんの顔写真

この記事の監修者

社会福祉法人逢花 支援相談員チーフ​

渡口将生​とぐちまさき

介護歴17年。介護老人保健施設7年、訪問介護2年、サービス付き高齢者向け住宅と小規模多機能型居宅介護の管理者として2年勤務。内管理者経験あり。その後、現在の法人にて介護保険施設の相談員兼ケアマネジャーとして従事する。日々、相談業務と職員の教育担当として研修を開催。介護資格取得スクールの講師での勤務経験やWEBライターとしても活動。介護ブログを通じ、2019年3月にNHKの介護士の番組にメインで出演する。​


*1厚生労働省「認知症施策の動向について」
http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/200214-5.pdf

2*厚生労働省「令和元年簡易生命表」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf

*3内閣府、総務省、厚生労働省「相対的貧困率等に関する調査分析結果」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/dl/tp151218-01_1.pdf

*4山口県本部「在宅介護における認認介護の出現率」
http://www.jichiro.gr.jp/jichiken_kako/report/rep_aichi33/05/0519_ron/index.htm

*5「介護データベース」
https://kaigodatebase.com/caregiver-murder/8392/

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