2021.08.31
初めてのケアマネジャーの選び方 失敗しない5つのポイント
介護サービスを受けるときにその計画を立ててくれたり、相談相手になってくれたりするのが、一般にケアマネと呼ばれるケアマネジャーです。
ではケアマネジャーとはどのような人のことをいうのでしょうか。
今回はその探し方と選ぶときに失敗しないための5つのポイントをご紹介します。
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ケアマネジャー(ケアマネ)とは?
ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」、通称ケアマネとも呼ばれています。
介護を受けるときに欠かせないケアマネとはどのような人なのでしょうか?
要介護(支援)となったとき、支援してくれる人
介護を必要とする場合はまず介護認定を受けることになります。
認定の結果が要介護(支援)状態であると判断された場合、介護に関する手続きなどを助けてくれるのがケアマネです。
ケアマネジャーはケアプランと呼ばれる計画書を作ってくれます。
ケアプランとはどのような介護を受けるのかをまとめた書類であり、介護サービスを受けるときのガイドとなるものです。
その計画書を作るときには、要介護(支援)者だけではなく、家族の状況を聞き取りながら個々に合ったものを立ててくれます。
また介護をするうえで困ったことがある場合にはその都度一緒に考えてくれる存在です。
ケアプランについて、くわしくはこちらの記事も参照ください。
➡ケアプランとは?短期・長期目標の意味、作成の仕方と流れ
資格取得に必要な実務経験や経歴の違い
ケアマネの資格を取得するには実務経験が必要になります。国家資格などに基づく実務経験が5年以上必要だったり、相談援助業務の実務経験が5年以上必要だったりするのです。
具体的には、保健師や看護師、理学療法士、社会福祉士、介護福祉士、管理栄養士などの国家資格を持つものが5年以上かつ900日以上の実務経験があれば、受験資格を得ることができます。
また、施設などで生活相談員、支援相談員などといった業務に5年以上かつ900日以上従事した場合も同様です。
どの職種を経験していても、専門知識を問う筆記試験に合格しなければケアマネにはなれません。
また合格後は基本的な研修を行ったうえで業務に従事していますが、保有資格やこれまでの職務歴により得意とする分野が異なるのも特徴です。
ケアマネの種類
ケアマネには、「居宅(在宅)ケアマネジャー」と「施設ケアマネジャー」と2種類あります。
居宅ケアマネ
自宅で生活するかたが、日々どんな介護を受けて生活していくのかを一緒に考えてくれるのが「居宅(在宅)ケアマネ」です。
〇〇居宅支援センターなどの名称の場所に所属しており、助けが必要なかたの自宅などに赴き支援してくれます。
施設ケアマネ
施設に入所するかたが、施設内でどのような生活をしたいのかを聞き取ってくれるのが「施設ケアマネ」です。
特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などの施設に入所したときに、施設内でどのような生活を送りたいかといった希望を聞きとりながら、介護の計画書を作成してくれます。
ケアマネをどう探す?
介護認定を受け、介護サービス利用を希望するのであれば、まずはケアマネを探し、誰に頼むのかを決める必要があります。
初めての場合は、どのように探し、決めればいいのかわかりません。
ケアマネを探す方法と流れについてご紹介します。
介護保険課や近所にある地域包括支援センター
ケアマネジャーがいる居宅介護支援事業所は、市区町村役場の介護保険課もしくは地域包括支援センターで紹介してくれます。
リストがある場合も多いので、その中から選んでください。
介護認定の結果から、要支援なら地域包括支援センターが、要介護なら居宅介護支援事業所が担当します。
どの事業所がいいのかがわからないときにはかかりつけ医や周囲の口コミなども判断材料になります。
事業所候補は複数ピックアップ
ケアマネがいる事業所は、計画を立てる業務だけを行う単独型と、デイサービスや訪問介護事業所(ホームヘルパー)などを併設している併設型があります。
事業所によっては担当上限に達しているなどの理由で、引き受けてもらえないことも考えられます。
いくつか候補を挙げておくことをおすすめします。
面談の実施
お願いしたいケアマネの候補が決まったら、所属する事業所に連絡を入れて、実際にお願いするケアマネと面談を行ないます。
援助を必要とするかたとケアマネの相性がいいかという点も重要ですが、そのかたを支える家族との相性も重要になります。
疑問点がある場合には質問を重ね、納得してから決定するようにしてください。
ケアマネジャーを選定する 5つのチェックポイント
介護サービスを受けるうえで、さまざまな場面で関わるのがケアマネジャーです。
介護申請の代行にはじまり、介護に関する各種手続きの代行、計画書の作成、プランに関わる施設や業者との連絡・調整などです。
初めてケアマネを選ぶ人にとって、その質を見極めるのは難しいことです。
そこでサービスの要となる人を選定するときの5つのチェックしてもらいたいポイントをご紹介します。
ご自身やご家族に合った人を選ぶためにも、口コミをうのみにせず、面談時の印象やそこから得た情報をもとにして選定してください。
□ 経験、得意分野をチェック
これまでの経験や得意としている分野を確認します。
要介護者の不安に感じている点(医療面、栄養面など)について強みがあるかどうか確認してください。
面談のときに知識の豊富さや、アイデアにバリエーションがあるかどうかをみてください。
□ 人柄、コミュニケーション
話をしたときにどう感じるかは人それぞれに異なります。
質問をしたときの応対や話しやすさを確認してください。
コミュニケーションの相性や気配りができるかどうか、やさしさという点をみることをおすすめします。
また要介護者本人に対する姿勢と家族に対する姿勢や接し方が大きく異なったりしないかもチェックするポイントです。
□ 対応力 フットワークをチェック
対応力やフットワークの軽さについてチェックします。
質問にしっかりと答えてくれて、ニーズにこたえられるようすぐにアクションを起こしてくれる人、また自由に内容や事業所を選ばせてくれる人を選んでください。
サービスについては、併設しているサービスのなかから選ばなければいけないということはありません。
いくつか候補を挙げてもらえるかどうかも確認してください。
また聞いたことに対して慌てずに対応してくれるかどうかといった対応力、医療との連携体制についてはどのような状況なのか、電話は繋がりやすいかどうかということもチェックしたいポイントです。
□ 話にくい話もきちんとしてくれる
お金の話などはどうしても話しにくい事柄ではありますが、重要な事柄でもあります。
話しにくいことでもごまかさずに伝えてくれる、答えてくれるかどうかを確認してください。
できないことはできないとはっきりと言ってくれて、返事をはぐらかさない姿勢は信頼できるポイントになります。
□ 同じ市区町村の事業所に所属している
介護保険は全国共通のルールのもとで運営されています。
しかし、自治体ごとにローカルルールがあることが多いのも事実です。
市や地域を一歩またぐと、その知識が活かされなくなることもあります。
例えば、
- ・急に状態が悪くなって困ったとき
- ・記入書類などについて、少し立ち寄って相談にのってもらいたいとき
などは、事業所が遠いとすぐには対応してもらえません。
また地域のネットワークなど、その地域ならではのサービスなどを活用したいときなど、も地域外の事業所に所属している場合は、情報がなかったり、対応できなかったりもします。
いざケアを受けようと思ったときに困らないようにするためにも、同じ自治体の事業所を選ぶか、自分が住む自治体で活動する人を選択しましょう。
上手に付き合うコツは?
ケアマネとの関係を上手に築き長くいい状態で付き合うことは、サービスを受けたり、介護に関する手続きをしてもらったりするうえで、大切になってきます。
そこでうまく付き合うコツについてご紹介します。
要介護者をよく知ってもらう
適切な介護を受けるために、要介護者の生い立ちや普段の癖など、聞かれたことは隠さずに伝えてください。
なかには、あまり人には知られたくないことなどもあるでしょう。
ケアマネには守秘義務があります。
より良いサービスにつなげるためにも正確に話すことをおすすめします。
認知症のかたのなかには、生い立ちに触れられて興奮してしまうかたもいます。
癖についても他者とのトラブルの原因になることもあります。
スムーズにサービスを受けるためにも介護を必要とする人自身をきちんと知ってもらってください。
気になることはきちんと聞く
サービスや計画書について気になることがある場合にはためらわずに質問してください。
わからないままにしておくと、ケアマネが良かれと判断して行ったことなのに、不信感がつのり、その後の関係性が悪くなることもあります。
やり取りをしていく中で、自身の思いや家族の考え方とは異なる点がでてくることもあるかもしれません。
そのようなときはそのむねをはっきりと伝え解消していく必要があります。
細かいことでも質問して解決するようにしてください。
ただ、相手は介護に関してさまざまな経験を積んだプロです。
口コミやネットで得た知識で疑心暗鬼になったり、不信感を抱いて口を出し過ぎたりしないように心掛けることも大切です。
ケアマネの提案と自身の調べたことに違いがあるときは、なぜ違うのか?ケアマネにきちんと聞いて、納得したうえでサービスを受けられるようにしましょう。
感謝の気持ちをきちんと伝える
感謝の気持ちは伝えるようにしましょう。
仕事だから当たり前、やってもらって当たり前という姿勢ではよい人間関係は築けません。
もちろん、ケアマネもプロなので、仕事としてやるべきことはやってくれますが、要介護者の日々の暮らしを支えてもらうためにも、お互いの信頼関係は大切です。
感謝の気持ちを伝えることでより良い関係を築けるようにしてください。
どうにも合わない。ケアマネジャーを変更することはできる?
慎重に選んだとしても、どうしても合わないということもあります。
そのようなときにどうすればいいのかについてご紹介します。
まず改善してほしいことをきちんと伝えよう
ケアマネの言うことは「絶対」というわけではありません。人と人との関係なので意見が合わないという場合もあります。
そんなときは、改善してもらいたい点を明確に伝えることも大切です。
それによって、相手が改善してくれることもありますし、お互い改めないといけない点がある場合には、それを教えてもらうこともできます。
ケアマネを変更したいときは、どこに相談する?
改善してほしいことを伝えても変わらない、どうしても合わないと感じたときには、変更を申請することも可能です。
事業所自体を変えることもできます。自治体の介護支援課や地域包括支援センターに連絡してみてください。
その後の流れは初めてケアマネを探したときと同じ流れです。
面談をし、ケアマネジメントを依頼します。
変更に関する手続きは新しい担当者が行なってくれます。
ケアマネジャーとともにニーズにあったケアプランを作る
介護を受けるうえで、ケアマネは欠かせない存在です。
いい関係を長く続けていくことでより良い介護を受けることができます。
一人ひとり異なるニーズにあった計画書をケアマネジャーとともに作ってください。