2021.11.29
家族と住める老人ホームとは?施設の種類やメリット・デメリットを比較紹介!
ケアが必要な子どもをサポートしている家族には、将来の不安がつきません。
「自分たちが要介護状態になった場合、子どもはどうするのか」
「サポートを受けながら子どもと一緒に暮らせる施設はあるのか」
家族一緒に住める老人ホームはあります。
しかし、すべての家族が入居できるわけではありません。
どのような施設にどういった状態の子どもが入居できるのか、把握する必要があります。
こちらの記事で紹介するのは、将来介護が必要になっても家族が一緒に住める老人ホームです。
それぞれの施設のメリット・デメリットも解説しますので、検討材料にしてください。
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1.家族と住める老人ホームを選ぶ際の条件
老人ホームがケアを必要とする家族を受け入れ可能か、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
60歳未満でも入居できるか
老人ホームはそれぞれの施設で入居できる年齢を設けています。
年齢制限は60歳以上や65歳以上の施設が多い傾向ですが、家族の状態によってはその限りではありません。
民間の会社が運営している場合、柔軟に対応してもらえる可能性もあります。
年齢制限を設けている老人ホームでもあきらめず相談してみましょう。
要介護認定を受けているか
40歳以上から65歳未満のかたは介護保険の第2号被保険者です。
加齢に伴う特定疾病によって要支援・要介護と認定されると、介護サービスを受けることができます。
60歳未満は入居できない老人ホームの場合も、要支援・要介護と認定されていると入居を認められる特例が多くあります。
子どもの状態が介護保険に該当するのか、地域の窓口やケアマネジャーに確認してみるのも、老人ホームを選ぶ際に重要なポイントになります。
特定疾病が認められているか
特定疾病は老化に起因する以下の16疾病です。
<16の特定疾病一覧>
- がん※
- 関節リウマチ※
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症※
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
※印は医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る
40歳以上から65歳未満で特定疾病にかかった場合、要介護認定を受け、介護サービスを受給できる可能性があります。
つまり、多くの老人ホームで入居要件を満たすのです。
2.家族で住める老人ホーム一覧
家族で住める老人ホームは主に、高齢者向けマンション・介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の4つです。
以下の表に、各施設の特徴をまとめました。
家族で入居できる施設 | 高齢者の入居条件 | 家族の入居条件 | 要介護状態になった場合 |
高齢者向けマンション | 原則として自立 | 施設によって異なる | 外部の介護サービス利用 住み替えの検討 |
介護付き有料老人ホーム | 要支援もしくは 要介護認定が必要 |
要支援もしくは 要介護認定が必要 |
介護度が上がった場合も 住み続けられる |
住宅型有料老人ホーム | 自立・要支援 介護度の低いかた |
要支援もしくは 要介護認定が必要 |
外部の介護サービス利用 住み替えの検討 |
サービス付き 高齢者向け住宅 |
自立・要支援 介護度の低いかた |
要支援もしくは 要介護認定が必要 |
外部の介護サービス利用 住み替えの検討 |
入居条件や要介護状態になった場合の対応は施設によって異なります。
家族にぴったりの住まいを選択するため、それぞれの特徴を理解しましょう。
以下で4つの施設の特徴を詳しく解説します。
高齢者向けマンション
高齢者向けマンションは、高齢者が安心して豊かな生活を送るために整備されたマンションです。
バリアフリー設計された設備のほか、安否確認などの見守りサービス、コンシェルジュの常駐など、高齢者の生活を支援するサービスが整えられています。
レストランやプール、図書館、ミニシアターなど、娯楽やレクリエーション施設が充実しているのも高齢者向けマンションの特徴です。
入居条件に決まりがない高齢者向けマンションの場合、家族も一緒に住めます。
また、分譲で購入すると、家族の状態にあわせリフォームできるのが高齢者向けマンションの強みです。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、要介護認定を受けた高齢者が24時間体制でサポートを受けて生活する施設です。
食事・排せつ・入浴介助などの身体介護のほか、生活相談・食事準備・洗濯・清掃などの生活支援を受けられます。
ADL(日常生活動作)保持のため、機能訓練やレクリエーションを行なうことも。
介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているため、一定基準以上の介護サービスを受けられるのが特徴です。
入居要件は、原則として要支援・要介護と認定されている高齢者です。
年齢制限は施設ごとに異なり、60歳や65歳以上としている施設もあれば、何歳でも入居できる施設もあるでしょう。
家族も要支援・要介護と認定されていれば入居を相談できる可能性があります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、施設スタッフにより食事・掃除・洗濯・買い物代行などの生活支援サービスを受けながら、自宅と同じような環境で暮らす老人ホームです。
施設によっては、地域と連携して見守りサービスや健康管理サービスを提供しています。
入居対象になるのは、健康な高齢者・要支援1~2・要介護度1など、自立したかたです。
家族も要支援・要介護と認定されていれば入居を相談できる可能性があるため、相談してみましょう。
住宅型有料老人ホームの特徴は、自由参加のサークル活動や高齢者が楽しめるイベントが多いことです。
入居者同士でコミュニケーションがとれるため、同じような環境にいる入居者と知り合える可能性があります。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、自宅と変わらない生活を送りながら、施設スタッフによる見守りサービスや生活相談を受けられる施設です。
外観も普通のマンションと変わりませんが、施設内はバリアフリー対応。
住宅型有料老人ホームとよく似ていますが、サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸」にあたるため、賃貸借契約を結んで入居します。
入居対象になるのは、自立した高齢者か、要支援1・2、介護度1など要介護度の軽い方になります。
家族も要支援・要介護と認定されていれば入居を相談できるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅には、レストランやラウンジが併設されている施設があります。
家族のケアに疲れたときは、ほっと一息ついてリフレッシュできるのが嬉しいポイントです。
3.各施設のメリットとデメリット
各施設のメリットとデメリットを理解することで、入居前の不安や、入居後のトラブルを防ぐことができます。
高齢者向けマンションのメリット・デメリット
高齢者向けマンションは、通常のマンションのように「高齢だから」「障がいがあるから」という理由で入居を断られる心配がありません。
分譲の場合、ケアが必要な状況に合わせてリフォームできるメリットがあります。
生活に不安がある場合、常駐するスタッフが相談に乗ってくれるため、入居後もトラブルや心配ごとに対処してもらえるでしょう。
デメリットは、不動産取引になるため高額な資金が必要になることです。
高齢者向けの住宅ローンなどをうまく利用し、子どもに負担をかけない資金計画を立てましょう。
自立した生活が難しくなった場合は、要介護認定を受けて訪問介護などのサービスを利用したり、住み替えを検討したりする必要があります。
介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット
介護付き有料老人ホームは介護保険による基準を満たした「特定施設入居者生活介護」です。
看護・介護職員・機能訓練指導員を配置しているため、必要な医療行為やリハビリを受けられます。
24時間体制でケアが受けられるため、将来介護が必要になったり認知症が進んだりしても、ケアを受けながら住み続けられるメリットがあります。
デメリットとしては、介護度が重いかたが入所しているため、生活の自由度が低くなります。
入居者の食事・排せつ・入浴など日常生活に必要な行為を優先するため、余暇時間の充実に手が回らない施設が多い状況です。
また、要介護認定を受けてないと入居できません。
40歳から64歳の家族の場合も、要支援・要介護と認定されている必要があります。
住宅型有料老人ホームのメリット・デメリット
住宅型有料老人ホームのメリットは、生活の自由度が高いことです。
家事や掃除などの生活支援サービスがあるため、家事に時間をとられることなく、家族で充実した時間を過ごせるでしょう。
趣味のサークル活動やイベントを通して仲間を見つけられることもできます。
介護が必要な場合、訪問介護などのサービスを必要な分だけ利用すればいいので、費用が抑えられるのもメリットです。
40歳から64歳の家族の場合も、要支援・要介護と認定されていれば入居できる可能性があります。
入居できる可能性があります。
しかし、介護が必要な場面が増えると介護サービスの利用頻度が高くなり、費用負担が大きくなります。
住宅型有料老人ホームの場合、人員配置の基準がないため、医療の提供や夜間の緊急対応が難しいこともデメリットです。
サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリット
サービス付き高齢者向け住宅は国土交通省によって供給支援されているため、増加傾向にあります。
都道府県に登録されるサービス付き高齢者向け住宅の登録件数は2021年1月時点で7,802件(263,555戸)、前年の1月時点より283件(11,926戸)増加しました。
住宅の供給量が多く、入居しやすいのがメリットといえます。
また、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅にあたるため、有料老人ホームなどと比べて初期費用が低く抑えられます。
自立もしくは要介護度の低い方が対象になるため生活の自由度が高く、引っ越す前と同じように過ごせるものメリットです。
40歳から64歳の家族の場合も、要支援・要介護認定を受けていれば入居できる可能性があります。
デメリットとしては、人員配置の基準がないため、医療提供や夜間の緊急対応が難しいことです。
介護度が重くなったり認知症が進行したりすると住み続けることが難しいため、住み替えを検討する必要があります。
4.家族と住める老人ホームを選ぶ際のチェックポイント4点
家族の状態に合った老人ホームを選ぶため、以下の3点を確認しましょう。
介護や医療的ケアに対してどれくらい対応できるか
介護や医療的ケアにどれくらい対応できるのか確認することで「将来にわたって入居できるのか」「外部の介護サービスを用いる必要性」「住み替えの可能性」を事前に知ることができます。
必要な介護や医療的ケアの種類・量は、家庭によって異なります。
自分や家族の病気や障がいについて、現在の状況だけでなく、将来どういった症状が現れる可能性があるのか把握しましょう。
介護や医療的ケアを多く必要とする場合は、24時間体制でケアを受けられる施設や看護師を配置している施設を選ぶのも選択肢のひとつです。
家族を受け入れる設備は整っているか
家族が住む環境に配慮が必要な場合、老人ホームに設備が整っているか確認する必要があります。
整備されていない場合は代替としてどうすればいいのか、設備に手を加えられるのか、事前に確認しましょう。
高齢者向けマンションの場合、購入すればリフォームが可能です。
その他の施設では大規模な工事は難しくなります。
そんなときは、施設の相談員や専門のアドバイザーに相談なさってください。
家族一緒に住むためのヒントが見えてくるはずです。
同じ病気を受け入れた経験はあるか
入居を検討している老人ホームが同じ病気や障がいを持つかたを受け入れた経験がある場合、入居までスムーズに進む可能性が高くなります。
医療体制が整っている、あるいは施設スタッフが緊急時の対応を理解しているため、万が一の場合も安心です。
病気や障がいを持った家族に対する周囲の理解が得やすく、入居後も新しい環境に早く馴染めるでしょう。
密にコミュニケーションを取れるか
施設スタッフや相談員と頻繁にコミュニケーションを取ることで、必要な支援やサービスに繋げてもらいやすくなります。
「どういう方法で」「どれくらいの」コミュニケーションが取れるのか、事前に確認しましょう。
普段からスタッフの顔が見える施設のほうが相談しやすい環境といえます。
多くの老人ホームが入居前に見学できるため、自分の目で雰囲気を確かめてみるのも方法のひとつです。
5.まとめ
家族と住める老人ホームの特徴や、メリット・デメリットを解説しました。
家族と住める老人ホームには、高齢者向けマンション・介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の4つがあります。
少子高齢化が進むなか、家族の形に合わせて柔軟に対応できる施設は今後も増えるでしょう。
家族が一緒に暮らし続けるためには、各々の状態に合わせた施設を選択する必要があります。
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