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槌井 渉

槌井 渉
つちい わたる

介護施設の⼊居相談歴10年以上の経験があります。
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野村 富⼠⼦
のむら ふじこ

有料⽼⼈ホームの介護現場でヘルパーとして勤務経験あり。
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2021.08.11

孤独死とは?超高齢社会の今だからこそ考えるべきこと

孤独死の危険性のある高齢女性の写真

誰にも看取られることなく息を引き取り、亡くなったあとも気づかれることなくそのまま数日間、放置される死を「孤独死(孤立死)」と言います。

残された人は心に深い傷を負うだけでなく、遺体の引き取り、火葬、埋葬、部屋の清掃などの後処理で、経済的負担も大きくのしかかってきます。
そんな悲惨な孤独死を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。一緒に考えてみましょう。

孤独死(孤立死)とは

最近、「特殊清掃員」の小島美羽さんが制作した「孤独死した人の部屋」のミニチュアについてのニュースが話題となりました。
この話題をきっかけに、誰にも看取られることなく、病気や自死した人の部屋をリアルに再現することにより、そこで生活していた人のさみしさや孤独、さらに社会問題となっている、孤独死の実態が見えてきます。

孤独死は決して特別なものではなく、誰にでも起きる可能性があります。それを回避するためには、どのような対策をすればいいのでしょうか。
参照:小島美羽著 『時が止まった部屋:遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』 原書房

孤独死と孤立死の違いは?

孤独死と孤立死には明確な定義はされておらず、発信者(この言葉を使う人)が異なります。
葬儀業者、遺品整理業者などは、身内や友人、地域のコミュニティとの交流があったにも関わらず、誰にも看取られず死亡した状況を「孤独死」と呼んでいます。

一方の「孤立死」は、厚生労働省の報告書において、明確に定義はしないが、「孤独死」が独居高齢者のみを想起させる懸念があるとの認識から、「社会から『孤立』した結果、死後、長期間放置されるような死、として『孤立死』」という用語を使用しています。

生前に誰とも連絡をとることなく一人でひっそり暮らし、亡くなることを「孤立死」とするところが多いようです。
本稿では、「孤独死」、「孤立死」は同義とし、資料名等で限定されている場合を除き、より多くの方が利用している「孤独死」を使ってご説明します。

参照:厚生労働省 安心生活創造事業推進検討会「第1回推進検討会の宿題について」

孤独死(孤立死)の統計による件数の推移は、増加傾向にある?

近年、問題になっている孤独死は、よくマスコミでも取り上げられるため年々増えているような印象を受けます。しかし厚生労働省などの公の機関は、孤独死の件数はデータとして発表していません。

地方自治体でも孤独死した人をカウントしていない地域もあります。
把握しない(できない)理由として「国が孤立死・孤独死の定義を決めていない」、「孤立状態をどうとらえるかが難しい」、「正確に把握する方法がない」などか挙げられます。そのため、正確な件数は不明です。

しかし東京23区の場合「東京都福祉保健局 東京都監察医務院」が平成30年に実際に行った検案、解剖のうち、65 歳以上の不審死による高齢者は10,012 件、そのうち孤独死に該当するのは5,003 件という統計を発表しています。

ここから不審死の約50% が孤独死だということがわかります。
この統計だけでは孤独死が増えているとは断定できませんが、半分が孤独死ということからも、その実数は決して少なくはないということが推測できます。

参照:東京都福祉保健局 東京都監察医務院 院長あいさつ

男女別、年齢別の割合は?

2011年3月に株式会社ニッセイ基礎研究所が発表した『平成 22 年度老人保健健康増進等事業 セルフ・ネグレクトと孤立死に関する 実態把握と地域支援のあり方に関する 調査研究報告書』によると、孤立死は女性より男性の方が多いという結果が出ています。

また同時に、孤立死が多い世代は、男性が65~69 歳、女性は80~84歳という結果になっています。

参照:ニッセイ基礎研究所「平成 22 年度老人保健健康増進等事業 セルフ・ネグレクトと孤立死に関する 実態把握と地域支援のあり方に関する調査研究報告書」

高齢者の死因で多いものは「悪性新生物(がん)」「心疾患」、「肺炎」

主な死因別死亡率の推移(65歳以上の者)のグラフ

次に65歳以上の高齢者の死因をみてみます。

内閣府の平成30年版高齢社会白書(全体版)によると、平成28(2016)年の65歳以上の死因で多いのは、1位が「悪性新生物(がん)」
次に「心疾患(高血圧性を除く)」、「肺炎」です
この3つの疾病は、65歳以上の死因の半分を占めています。

特に「心疾患」は突然死にもつながる可能性が多いため、独居で孤立した高齢者が自宅で突然倒れ、救急車を呼ぶこともできず、そのまま亡くなってしまう。
その後、誰にも気づかれず発見が遅れ、孤独死となってしまうケースも珍しくはないようです。

参照:内閣府 「平成30年版高齢社会白書(全体版)」

孤独死(孤立死)が起こる原因は?

男女別65歳以上、単独世帯人口の推移(平成12年~27年)のグラフ出典:総務省統計局 平成27年国勢調査-抽出速報集計結果からみる高齢化社会

では、なぜ亡くなってから数日間も発見されない状況が起きてしまうのでしょうか? 
原因を探ってみましょう。

高齢者社会、核家族化による独居老人の増加

誰にも看取られることなく孤独死につながってしまうようになった最も大きい原因は、上の表でもわかるように65歳以上の独居世帯が増えたこと。
さらに家族や親戚、近所との関係も希薄になり、隣に誰が住んでいるか知らないという現代の住環境における変化からも伺えます。

一人暮らしの高齢者でも、隣近所とのつながりがあったり、地域のコミュニティに参加したりしている人は「今日は〇〇さん、顔が見えないけれど元気かしら?」と誰かに気づいてもらえます。

しかし日ごろから部屋にこもり、あまり外出しない高齢者は家の中で異変が起きたとしても気付いてもらうのは難しいのです。
特に独居の男性は、地域の人とのコミュニケーションを苦手とする人が多いため部屋に引きこもりがちになり、亡くなったあと1,2カ月経ってから発見されることも少なくないようです。

最近はコロナ禍の影響で高齢者がコミュニティに参加しにくい状況があります。
するとますます家に閉じこもってしまい、具合が悪くなっても誰にも訴えることができず部屋の中でひっそり息をひきとり、そのまま気づかれないということもありそうです。

同居している高齢者も、一人きりで亡くなる可能性はある

家族と同居していても、寝室が別々の場合、高齢者が自室に入ってしまうと様子がわかりません。
そんなとき、心臓発作などが起きたらすぐに家族のだれかが気が付くのは難しいでしょう。

結果、誰にも看取られることないまま亡くなってしまうことも。
ただし家族と同居している場合は、亡くなってから何日も気が付かないとい言うのはまれです。

身寄りのない30代、40代も危険

年代別 死因順位

   1位  2位  3位  4位 5位
30~34歳 自殺 悪性新生物
(腫瘍)
不慮の事故 心疾患    脳血管疾患
35~39歳 自殺 悪性新生物
(腫瘍)
心疾患 不慮の事故 脳血管疾患
40~44歳 悪性新生物
(腫瘍)
自殺 心疾患 脳血管疾患 肝疾患
45~49歳 悪性新生物
(腫瘍)
自殺 心疾患 脳血管疾患 肝疾患

表1 参照:厚生労働省 令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況

孤独死のリスクは高齢者だけではありません。
最近では30代、40代の「突然死」も増えています
WHOでは「突然死」を、「瞬間死あるいは、発病後 24 時間以内の内因死」と定義しています。

厚生労働省が発表した年齢別にみた、死亡原因の1位~5位までは上記の表のとおりです(表1参照)。
30、40代も、突然死といわれる「心疾患」、「脳血管疾患」が死因の5位までに入っています。

30、40代はひと昔前なら結婚し、会社に所属して社会とかかわりがありました。
しかし最近は晩婚化などで一人暮らしが増加。さらに非正規労働者やフリーランス、介護離職者などが増えたことにより、突然自宅で亡くなっていてもすぐには気づいてもらえないという状況になっているようです。

ゆとり世代、団塊ジュニア世代も孤独死(孤立死)予備軍

前述のニッセイ基礎研究所が2014年に発表したデータによると、ゆとり世代66万人、団塊ジュニア世代105万人が「孤立死予備軍」だそうです。

その理由として未婚で単身生活者が多いこと。
非正規労働者や無職(専業主婦も含む)の割合が高いなどが挙げられています。

またゆとり世代は親と同居している人も多いため、いずれ親が亡くなったときは単身生活者になる可能性が高いと危惧されています。

参照:ニッセイ基礎研究所 特別研究プロジェクトチーム「長寿時代の孤立予防に関する総合研究~孤立死3万人時代を迎えて~」

孤独死が直面する問題と、孤独死から家族を守るためには?

気分が沈んでいる高齢女性の写真

孤独死は発見されたあとも、いろいろと手続きや処置が大変です。
身内がいればいいのですが、いない場合は大家さんがその後処理をしなければいけません。

実際に孤独死をしてしまった場合、具体的にはどのようなことが行われるのでしょうか。

遺体の引き取りや、葬儀、遺品整理などの手続き

孤独死を発見したら、まず警察に届けます
と同時に家族などへの連絡が必要です。
家族や親戚がいない、または親族が遺体の引き取りを拒否した場合は自治体などが火葬、埋葬を行ってくれます。

しかし遺品の整理、部屋の清掃などは、賃貸物件の場合、貸主が対応するしかありません。
遺体が数日間放置されていると、腐敗し、悪臭や雑菌が発生。
部屋中に腐敗臭がまん延すると、荷物にもついてしまうため、ほとんどの物は処分しなければいけなくなります。
その費用も家主が支払うことになります。

住宅、部屋は事故物件となり、特殊清掃が必要

体液や腐敗によって発生した匂いや部屋の汚れは特殊清掃が必要です。

最初に紹介した「特殊清掃員」の小島美羽さんのミニチュアのような部屋を掃除するため、料金も割高になります。
しかも賃貸物件の場合、部屋はその後、事故物件となり、次に貸すときは家賃相場より安い価格を設定しなければいけないため、貸主の負担はかなり大きくなります。

孤独死(孤立死)保険も注目されている

そのため最近では家主を対象とした、孤独死の費用をカバーしてくれる保険も販売されています。
特殊清掃の費用や遺品整理費用、また空室期間や値引き期間の家賃の損失なども補てんしてくれます。

身内がいない場合はもとより、いる場合でも、孤独死となってしまうと警察の検証や部屋の特殊清掃など、いろいろな手続きや莫大な費用がかかってしまうこととなります。
そうならないようにするためにも、身内に独居している高齢者がいる場合は、定期的に連絡をとる、様子を見にいくなどの配慮が必要です。

孤独死(孤立死)をなくす対策が厚生厚労省、自治体でも始まっている

食事を取る高齢女性の写真

こうして近年ますます増加する悲惨な孤独死を少しでも減らすため、国や地方自治体ではいろいろな取り組みが始まっています。

「孤立死」ゼロを目指した、推進会議

「孤立死」予防を目指したコミュニティづくり

厚生労働省は独居の高齢者でも安心、安全に暮らしていけるようなコミュニティづくりを提案しています。

多くの自治体でもすでにこの取り組みの指針に則って、いろいろな活動が始まっています。
たとえば千葉県の団地ではあいさつを積極的にして、人と人とのつながりの強化を目指しています。

ほかに高齢者が気軽に集まれるサロンを作って、コミュニティを整備していこうとしているところも。
また高齢者と積極的にかかわりをもつ世話焼き係(おせっかい役)を決めて、独居の高齢者が孤立しないような取り組みに挑戦しているところもあります。

参照:厚生労働省 「高齢者が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議(孤立死ゼロをめざして)報告書」

東京都で始まった見守りサービス

見守りの方法と担当のイメージ
東京都では2030年に都民の約4人に1人が65歳以上の高齢者になるという試算があります。
そのときに備えて、地域で「見守りの機能」を充実させようという運動が始まっています。

見守りは隣近所の人ができる簡単なものから、専門家がしっかりサポートする制度まで3段階にわかれています。

〈穏やかな見守り〉

生活するうえで、町内会や隣近所の人たちが高齢者を見守ります。
そして「〇〇さん、いつもと違うな」と感じたら、即、地域包括支援センターや専門機関に相談するのが穏やかな見守りです。
独居の高齢者の様子を少し気に掛けるだけなので、見守る地域住人にはそれほど負担がかかりません。

〈担当による見守り〉

民生委員、児童委員、老人クラブ、住民ボランティアが担当を決めて、見守りシステムを構築していきます。
1対1、または複数人のチーム制で交替しながら高齢者を見守ります。
いつも誰かが見ていてくれる、そんな目があると高齢者も安心して暮らせます。

〈専門的な見守り〉

地域にとけこめなかったり、家族から虐待を受けていたり、認知症が疑われる高齢者は、地域包括支援センターなどの専門機関が中心となって24時間、365日、見守ることもあります。

自治体でも「孤立死」ゼロを目指した取り組みが行われています

それぞれの自治体でも、高齢者の孤立死を防ぐためのコミュニティ作りを始めています。
「地域の見守り役」、「民間事業者や外部組織との連携」、「専門職間の連携」など横のネットワークを強化し、さらに自治体の支援体制と繋がっていくことで、高齢者を孤立させないよう努力しています。

参照:東京都福祉保健局 「高齢者等の見守りガイドブック 第三版」

悲しい最期にならないために、高齢者や家族ができる対策

公園を歩く家族の写真

孤独死を防ぐためには、高齢者は日ごろから近所や地域の人たちと繋がること、高齢者と地域の人たちの交流が重要です。
たとえば人の目が届く「デイサービス」を定期的に利用することで、体調の変化などに気づいてもらえることもあります。

また日ごろから挨拶や声かけをして顔見知りになっておけば、しばらく顔が見えない時は、気にしてくれ、場合によっては駆けつけてくれるでしょう。
また何か問題が起きたとき、気軽に相談できる相手は、高齢者にとっての命綱とも言えます。

家族は「高齢者が孤立しないためにはどうしたらいいのか?」を考えておきましょう。
日ごろから、家族には迷惑をかけたくないと思っている親世代は、何か聞いても「大丈夫、大丈夫」と答えることもあると思います。

しかしそれで安心せず、いつも気にかけこまめに連絡をする。
少しでも異変を感じたらすぐに対処できるよう準備しておくことが孤独死を防ぐ一歩です。

国や自治体も近所や専門機関を巻き込み、孤独死をゼロにしようと乗り出してはいますが、一人暮らしの高齢者が自宅にいるときに起こる異変には、実際には気づくことが困難です。

そのため、親の独居が難しいかも?と少しでも不安を覚えたら「介護サービス」や「高齢者施設」の利用を考えてみるのも、孤独死を防ぐ一つの対策となるのではないでしょうか。

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