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槌井 渉
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  • 【研究結果】骨折で寝たきりになってしまった方の余命は?回復・リハビリのポイントも合わせてご紹介します

2021.10.28

【研究結果】骨折で寝たきりになってしまった方の余命は?回復・リハビリのポイントも合わせてご紹介します

骨折で寝たきりに介護ベッドの写真

「骨折で寝たきりになった場合、余命はどれくらいか知りたい」
「家族が骨折したけれど寝たきりにさせたくない」

この記事はそんな方にぴったりです。

高齢になるとわずかな段差で転んで骨折することがあります。
2019年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、要介護になった原因の第3位は「骨折・転倒」です。

高齢者の骨折は要介護状態を引き起こし、寝たきりになるおそれがあります。

この記事では「骨折で寝たきりになった場合の余命」や「寝たきりになった方の主な死因」の研究結果から「なぜ寝たきりが良くないのか」を解説します。

あわせて、寝たきりにならないためのリハビリの有用性について紹介しますので、参考にしてください。

1.骨折で寝たきりになってしまった方の余命

骨折の予後が悪いと、2年以内に約半数の方が亡くなっています。
しかし、予後が良ければ骨折していない高齢者とほとんど変わらない生活を送ることができるのです。

研究データを元に以下で詳しく解説します。

大腿骨骨折患者の平均余命

大腿骨頸部骨折患者の入院中および退院後の期間別死亡率のグラフ図1 大腿骨頸部骨折患者の入院中および退院後の期間別死亡率
(「大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 生存率と身体的活動性」日本老年医学会雑誌25巻6号 )

東京都老人医療センター(現在は東京都健康長寿医療センターと改称)を退院した大腿骨頚部骨折患者の追跡調査(以下、大腿骨頚部骨折患者の追跡調査)によると、骨折後の死亡率は図1になります。

大腿骨頸部骨折患者は「1年以内」の死亡率が最も高く、男性が31.3%、女性が32.1%です。
次いで「2年以内」の死亡率は男性が18.3%、女性が17.7%となっています。

つまり骨折後に退院しても、2年以内に男性が49.6%、女性が49.8%の方が亡くなっています。
骨折後の余命率は2年以内でおよそ50%といえます。

この要因は、骨折で動きが困難になったことによるADL(日常生活動作)の低下や、筋力の低下、体力の衰えといった全身症状。

また、ふさぎこみがちになるなど心理的な要因、外出できないといった社会参加の減少も影響していると考えられます。

大腿骨骨折患者の期間内致命率

骨折後の期間内致死率のグラフ図2 大腿骨頚部骨折患者退院後の致命率
(「大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 生存率と身体的活動性」日本老年医学会雑誌25巻6号 )

骨折後は1年以内の死亡率が最も高く、次いで2年以内の死亡率が高くなっています。
骨折後の期間内致命率を表したのが上ののグラフです(図2)。

大腿骨頸部骨折患者は退院後「0カ月~1年未満」の致命率が86.1%ですが「1年~2年未満」は78.3%と、7.8%減少しています。
しかし「2年~3年未満」の致命率は前年より4.7%減少「3年~4年未満」は前年より4.8%減少。
4年以降の致命率の減少幅はさらに小さくなっています。

つまり、退院後2年未満の致命率は低いですが、以降は緩やかな減少といえます。
骨折したとしても予後が良ければ数年後には回復できるのです。

退院後2年以降は生存率の低下が緩やかになる

調査対象者が高齢者であることを考慮し、生存率について大腿骨頸部を骨折したグループ(大腿骨頸部骨折群)と健康な高齢者のグループ(健常者群)を比較したのが以下のグラフです(図3)。図3 大腿骨頸部を骨折したグループ(大腿骨頸部骨折群)と健康な高齢者のグループ(健常者群)の生存曲線
(「大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 生存率と身体的活動性」日本老年医学会雑誌25巻6号 )

大腿骨頸部を骨折したグループ(大腿骨頸部骨折群)の生存率の低下は1年目と2年目が顕著です。
しかし、3年目からの生存率低下は緩やかになり、5年目では健康な高齢者のグループ(健常者群)と僅差になります。

高齢者が骨折したあとの生存率について、2年目以降は骨折していない高齢者の曲線の形とほとんど同じです。
骨折後に回復した場合は、骨折していない高齢者と変わらない生活が送れるのです。

2.骨折で寝たきりになってしまった方の主な死因

骨折した高齢者の死因は「脳血管障害」「心疾患」「悪性腫瘍」「肺炎」「腎疾患」などがあげられます。
寝たきりになると様々な合併症を患う危険性があるのです。
疾病別の死因割合を以下に表します(図4)。大腿骨頸部骨折と死因を示すグラフ

図4 大腿骨頚部骨折患者の主要死因
(「大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 生存率と身体的活動性」日本老年医学会雑誌25巻6号 )

心疾患が24.0%ともっとも多く、次いで肺炎21.7%、脳血管障害16.2%、悪性腫瘍11.7%、腎疾患9.1%の順でした。
それぞれの死因について以下で解説します。

脳血管障害

脳血管障害は脳の血管の異常によって起こる疾患の総称です。
具体的な病名は「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」「脳血管性認知症」などがあげられます。

脳血管障害によって脳の働きに障害が出ますので、意識や感覚・体の動きに支障が出ます。

脳血管障害のうち脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3つを指す名称が「脳卒中」です
国民生活基礎調査(厚生労働省)によると脳卒中は介護が必要となる原因の第2位で、高齢者に多くみられる疾患といえます。

認知症の原因疾患になる可能性もあり、死因だけでなく、寝たきりそのものの大きな要因です。

心疾患

心疾患は心臓に起きる疾患の総称です。
心臓になんらかの障害が起き、血液の循環が不十分になったために引き起こされます。

症状が現れたときにはすでに重症のことが多く、死に至る危険性が高いのが特徴です。
骨折した高齢者の死因第1位も心疾患です(図4)。

よく名前を聞く「狭心症」や「心筋梗塞」は、虚血性心疾患と呼びます。

虚血性心疾患は、心臓に血液を運ぶ冠動脈が狭くなったり詰まったりして血液が滞る「動脈硬化」によって引き起こされます。

動脈硬化を起こさないようにするためには、生活習慣の管理が必要になります。
骨折によって活動性が低下、寝たきりになった場合、運動不足や栄養状態の悪化によって動脈硬化が起こりやすくなります。

悪性腫瘍

悪性腫瘍は「がん」のことです。

人間の体のなかには細胞の塊ができることがあります。
このうち分裂を繰り返して周囲に広がったり、体のあちこちで新しい塊を作ったりするものを「悪性腫瘍」といいます。

がんの発症要因は様々です。
完全に防ぐことはできませんが、禁煙・過度の飲酒をひかえる・栄養管理・体重管理などによって予防ができます。

がんは進行するまでわかりにくい疾患です。
寝たきりになると早期の発見が遅れ、直したり進行を遅らせたりすることが難しくなります。

肺炎

肺炎は風邪と見分けがつきにくい疾患ですが、高齢者の場合は命に関わります。
骨折した高齢者の死因第2位も肺炎です(図4)。

肺炎の症状は38度以上の発熱・せき・たん・息切れ・胸の痛みなどですが、高齢者の場合は症状が現れない場合もあります。

肺炎の症状がなくても「元気がない」「意識がはっきりしない」「食欲がない」などで診断を受けると肺炎だったケースも。
骨折などにより免疫力が落ちている高齢者の場合、急激に症状が進み、重症化することがあります。

また、「誤嚥性肺炎」は高齢者に多い肺炎です。
細菌が器官や肺に入ることで起こるので、衛生管理も肺炎予防につながります。

介護度が上がると食事介助が必要になる場合が多いので、食事後の口内を清潔に保つことに気を配らなければなりません。

 

腎疾患

腎疾患は腎臓の働きが悪くなることによって起きる疾患の総称で「慢性腎臓病(CKD)」や「慢性腎不全」のことを指します。

腎疾患は自覚症状のないまま進行しますが、一定レベルまで悪くなると自然に回復しません。
悪化後に現れる症状は、頻尿・疲労感・貧血・立ちくらみ・息切れ・むくみなどです。

早期発見により服薬治療で進行を遅らせることもできます。
しかし、症状が進行すると血液中の毒素を自力で分解できなくなるため、透析が必要です。

透析は病院等の施設で週3回、1回4時間程度が標準とされています。
腎疾患は骨折した高齢者の死因に多いだけでなく、高齢者本人と家族の負担も大きいのです。

3.高齢者の骨折は寝たきりになりやすい

高齢になると、骨折が原因で寝たきりになる可能性が高いです。
2019年の国民生活基礎調査によると「転倒・骨折」は介護が必要になった原因の上位にあります。
参考:「2019年 国民生活基礎調査の概況 介護の状況」厚生労働省


「要介護5」はほぼ寝たきりの状態。
「要介護4」も自力で身の回りのことをできず、寝たきりの方がいます。

介護度が重くなる(数字が大きくなる)ほど、改善する可能性は低くなります。
たとえば、現在の介護度が3の場合、将来の介護度は1や2に下がる可能性より、介護度4や5に上がるケースの方が多いのです。

骨折によって介護が必要になると、将来的に介護度4や5の寝たきりになる可能性も。
寝たきりになると活動性が落ち、さらに介護度が上がるといい悪循環に陥ります。

一般的な高齢者との比較

骨折群と一般高齢者の活動状況を比較したグラフ

図6 大腿骨頸部骨折群と一般高齢者群における身体活動状況
(「大腿骨頚部骨折患者の追跡調査 生存率と身体的活動性」日本老年医学会雑誌25巻6号 )

大腿骨頸部を骨折したグループ(大腿骨頸部骨折群)の活動状況と健康な高齢者のグループ(一般高齢者群)の活動状況は上記のようになります(図6)。

「時々外出する」と回答した大腿骨頸部を骨折したグループが17.6%にとどまったのに対し、健康な高齢者のグループは55.8%です。

「寝たきり」の項目では大腿骨頸部を骨折したグループが24.2%と全体の約4分の1でしたが、健康な高齢者のグループはわずか5.4%でした。

高齢者が骨折した場合、治りが遅く、治療を終えても歩けない・歩きにくい状態が続きます。
その結果、外出をひかえてしまい、骨折していない高齢者に比べて活動性が低下する傾向にあります。

骨折前後で比較した寝たきり高齢者の活動性

骨折により活動性が低下すると、筋力低下につながり、今まで問題のなかった部位まで動きにくくなります。
活動性が低下すると身体能力のみならず、活動範囲が狭まり、ふさぎこみがちになるといった社会的・心理的な問題も出てきます。

寝たきりを防ぐためには骨折後も高齢者の活動性を低下させないことが大切です。

活動性は変わらないことが多い

大腿骨頚部骨折患者の追跡調査によると、骨折した高齢者のうち72%は骨折後も活動性が変わりませんでした。
また、骨折後のリハビリによって8割以上の高齢者が自宅へ戻れたという研究結果もあります。
参考:「回復期リハビリテーションを行った高齢骨折患者の退院転機 家族構成および介護保険からの検討」整形外科と災害外科69

骨折しても適切な訓練によって活動性が保たれるのです。

4.骨折によって一度は寝たきりになっても、独立歩行は可能

骨折によって寝たきりになったとしても、適切な訓練によって独立歩行が可能です。
大腿骨頚部骨折患者の追跡調査によると、骨折したとしてもリハビリによって54%の高齢者は杖や歩行器を用いて歩けるようになります

しかし、骨折前の状態まで完全に回復するのは難しいのが実情です。
骨折前に独立歩行可能だった高齢者の骨折後の歩行能力について調査したデータがあります(図7)。骨折後の歩行能力を示したグラフ

図7 受傷前歩行能から調査時歩行能への推移
(「高齢者大腿骨頸部骨折後の予後調査」整形外科と災害外科)

骨折前は独立歩行が可能であったにもかかわらず、骨折して3~4年経過後の「独立歩行」は27%にとどまりました。
しかし「介助歩行(杖や歩行器を使用した歩行)」の27%をあわせると54%の高齢者が歩行可能という結果です。

骨折後、半数以上の高齢者が3~4年後も歩行できているといえます。

5.ポイントはリハビリ

明るい雰囲気の老人ホームで車いすを押す介護スタッフと高齢女性の写真

高齢者の骨折後の余命は2年以内で50%、半数近くの方が2年以内に亡くなっています。
しかし、骨折してから2年を過ぎたあとは生存率の低下が緩やかになりました(図3)。

5年後には骨折していない高齢者とほとんど変わらない生存率です。


骨折後の寝たきりを防ぎ、活動性を保つことが余命を左右するといえます。
骨折後の寝たきりを防ぐためにはリハビリが重要です。

骨折した高齢者のうち72%は骨折後も活動性が保たれたという研究結果にもあるように、適切なリハビリ訓練を受けることで活動性は低下しません。

退院後もリハビリを継続することで独立歩行できるまでに回復します。
効果のあるリハビリを受けるためには、理学療法士や作業療法士など専門職のサポートが欠かせません。

有料老人ホームのなかには質の高いリハビリを提供する施設があります。
リハビリ実績を数多く持つ施設もありますので、リハビリに積極的な施設をお探しの方は是非お気軽にご相談ください。

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