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槌井 渉

槌井 渉
つちい わたる

介護施設の⼊居相談歴10年以上の経験があります。
最新のデータと約1,000施設に⾜を運んだからこそわかる現地の雰囲気や施設の評判も重視してご提案しています。
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野村 富⼠⼦
のむら ふじこ

有料⽼⼈ホームの介護現場でヘルパーとして勤務経験あり。
医療⾏為が必要な⽅をはじめ、認知症の⽅も沢⼭対応してきました。
現場で聞いてきたご本⼈やご家族からの要望や不安の声、そして感謝の⾔葉。今もこの声を思い出しながら、お客様に安⼼してお過ごしいただけるよう、その⽅に合った施設をご提案しています。

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2021.01.26

介護施設でも活用されるドッグセラピーとその効果とは?

犬の写真


介護施設では、認知症の高齢者の方を中心にアニマルセラピーやドッグセラピーが行われています。
動物と触れ合った際に、不思議と優しい気持ちになったり、癒されるなあと感じたりしたことはありませんか?


ドッグセラピーは、こうした“癒される感覚”に着目し、動物と触れ合うことによって、精神的・肉体的な症状の緩和を目指すケアのひとつです。

ここでは、アニマルセラピーやドッグセラピーを丁寧に解説し、セラピーを実施することで得られる具体的な効果についてご紹介します。

ドッグセラピーとは


ドッグセラピーとは、「アニマルセラピー」と呼ばれる動物介在療法の一種のことで、動物の力を借りて人の心理的あるいは肉体的な症状を緩和し、健康状態を向上させてくれる補完医療です。

補完医療とは、通常病院などで行われる治療を補う医療のことを指します。
アニマルセラピー自体は、1962年頃から欧米で始まったと考えられていて、現在では国内外で盛んに研究が行われています。

活躍する動物


アニマルセラピーで活躍する代表的な動物は、犬や馬、イルカが挙げられます。
中でも犬は家庭や施設でも扱いやすく、私たちにとっても親しみやすいため、医療施設や介護施設でのアニマルセラピーは、犬を通じて行われるケースが多いです。

犬を用いてセラピーを行うことから、ドッグセラピーと呼ばれることも多いですが、基本的にはアニマルセラピーとドッグセラピーは同じものを指しています。

効果が期待できる症状


セラピーの効果が期待できる主な症状は、ダウン症などの遺伝性疾患、脳性麻痺、自閉症、知的発達障害、中途障害などと言われています。

しかしながら、明確な疾患がなくても、日常で疲労やストレスを感じている方や高齢者の方の健康状態の改善にも効果があることがわかっています。

特に最近では、高齢者や認知症の方に対する効果が注目されており、ドッグセラピーを導入する介護施設が近年増えつつあります。

ドッグセラピーの効果とエビデンス

老夫婦と犬のイラスト

ドッグセラピーの主な効果は、意欲の向上自発語の増加情緒安定自発的な使命感を得る認知症に対する症状緩和が挙げられています。
以下、ドッグセラピーの効果について、5点詳しく解説します。

●意欲の向上
例えば認知症の方の場合、初期の頃には意欲の低下が見られることがあります。活動しなくなったり、表情が乏しくなったりするなどといった様子が見られますが、ドッグセラピーで犬と触れ合うことで、快活さが増すという変化が見られます。また、触れ合うことによって穏やかな表情を見せるようになったり、笑顔が増えたりすることも効果の一つです。


●自発語の増加
認知症が進行していくと、どうしても言葉の数が減り、あまり話さなくなってしまいます。しかし、ドッグセラピーを通して意欲の向上が見られるようになると、犬に話しかけたり犬のことについて人に話したりと、自然と他人と積極的に関わろうとする姿が見られるようになっていきます。


●情緒安定
動物に触れ癒される感覚を多くの人が経験したことがあると思います。ドッグセラピーの最も大きな効果は、情緒安定です。ストレスや不安感、悲しみや怒りやすさの軽減が見られ、落ち着き感や喜びが増大します。


●自発的な使命感を得る
認知症などが進行してしまうと、他人からケアされることばかりで、自分自身が人のために行動する機会が少なくなります。人としてもともと備わっている、「守ってあげたい」「労ってあげたい」というような感情が、ドッグセラピーを受けることで刺激されます。


●認知症に対する症状緩和
認知症に対するドッグセラピーの効果は、研究論文でもいくつか報告があります。
認知症高齢者に対するイヌによる動物介在療法の有用性を検証した太湯らの研究によると、


“日常生活自立度とQOL尺度得点は6ヶ月で大きな変動はなかったが,うつ状態は明らかに改善した.また,施行の前後では,唾液アミラーゼ活性値の下降群が,動物介在療法を施行した群に有意に多くみられ,一方,コントロール群では上昇群が多かった.そして,アクティグラフによる活動量は施行中に明らかに多くなった.加えて,行動観察でも活動量,笑顔,発言,周囲の人やイヌへの関心が増加した.このことから,認知症高齢者に動物介在療法を施行することは,社会性としての周囲の人やイヌへの関心を高め,生活への潤いを増加させる.また,活動性としてはイヌにつられて行動を起こすことにより,活動量が増し,日常生活の自立度やQOL改善につながる.精神性ではストレスの緩和やうつ状態の改善につながる.”
参考:認知症高齢者に対するイヌによる動物介在療法の有用


と報告されており、ドッグセラピーによって、うつ状態の改善、活動量、笑顔、発言、周囲への関心の増大などが報告されています。


また、「動物介在介入による認知症高齢者の情緒安定の効果 ―NPI-Q-J 質問紙法を用いた検証―」(日本認知症予防学会誌 川添敏弘他4名)でも、


“認知症の周辺症状のひとつとして,うつ状態や不穏状態があげられる.このような症状は,本人の QOLを著しく損なわせるただけでなく,介護者も対応に苦慮させられることになる.イヌを介在させた活動後に症状が安定している 1 名の認知症高齢者を対象に質問紙(NPI-Q-J)を用いて情緒の測定を実施した.その結果,一週間の情緒の安定が認められた.特定のイヌとの交流とそれに伴う介護者の支援が認知症高齢者の情緒安定に寄与したと考えられた.単一事例ではあるが,動物介在介入に よる認知症高齢者の持続的な QOL の向上が認められたので報告する”
参考:動物介在介入による認知症高齢者の情緒安定の効果 ―NPI-Q-J 質問紙法を用いた検証―


ドッグセラピー後に症状が安定していることや、一週間後も情緒の安定が続いていることなどが報告されています。

介護施設でのドッグセラピーの活用


介護施設で行われるドッグセラピーには、集団型と個別型があります。
心と体のリハビリテーションを目的として行われるドッグセラピーですが、施設によって取り入れ方は様々です。

集団で行われるドッグセラピーの場合は、レクリエーションの一貫として行われることが多く、個別で行われるドッグセラピーの場合は、個別に20〜30分間行われ、その人のペースで犬に話しかけたり、餌をあげたり撫でたりしてコミュニケーションを図ってもらいます。

集団型のドックセラピーに対して、個別型のドッグセラピーでは、個別に目標を決められることから、セラピーの効果判定がしやすいという特徴があります。

まとめ

 

ドッグセラピーと聞いてくと、犬が苦手な方は
「私は犬を飼ったことがない」
「ちょっと動物は苦手かも」
と抵抗感を感じるのでないでしょうか。

しかしながら、実際は、一度ドッグセラピーを受けると、犬に対する苦手意識をお持ちでも、すぐ犬とのふれあいになれる方が多くいらっしゃいます。

ペットや動物の存在があるだけで大きな心の支えになり、幸せな老後老後の人生を共に過ごす良きパートナーとなるのかもしれません。


今回は、ドッグセラピーが高齢者にもたらす幸福感について解説しました。


そのほか、高齢者に安心をもたらすケアとして、別の切り口から解説した記事も多数アップしております。


気になる方は、ぜひご覧ください。

 

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