2021.02.10
介護施設の面会|オンライン面会とは?コロナ対策は?
新型コロナウイルス感染症の流行で、多くの介護施設で面会禁止の状態が続いています。
介護施設に入居している家族が心配、これから入居を考えているけれど不安という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
面会ができないと、入居している家族の体調確認がなかなかできなかったり、ご本人が会えないことで寂しさを感じたりしてしまうこともあります。
そこで今回の記事では、介護施設で面会するときのルールや直接の面会に代わって行われているアプリを使ったオンライン面会の方法、介護施設で行われているコロナ対策とその実例についてお伝えします。
この記事を読めば、このコロナ禍でどのように入居している家族とコミュニケーションが取れるのか、安心して暮らせるのかなどが分かります。
介護施設では、感染対策をしながら家族との交流ができるように工夫しています。
コロナ禍における介護施設の面会で重要なポイントは、
施設でのルールを理解することです。
面会のルールや、オンライン面会の方法、コロナ対策の状況は介護施設によって異なります。
以下、詳しく解説します。
index
1.介護施設面会のルール
介護施設で面会をするときは、感染予防のために気をつけるべきポイントがあります。
どのような点に注意したら良いのか確認しておきましょう。
面会前には事前連絡を行う
通常、面会に来る人に関する制限はありません。家族や友人など、希望される方であれば面会することは可能です。
しかし、部外者の侵入による事件やトラブルを避けるため、介護施設のセキュリティは近年厳しくなっている傾向にあります。
厚生労働省が提言する「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について」*1をもとに、各施設で対策が進められています。
介護施設側が把握できるよう、いつ面会に行くのか、誰がいくのかなど、面会に来る前に事前連絡をするようにしましょう。
特に初めて訪れる方やご家族以外の方など、誰なのかすぐにわからない方が急に来ると、面会しても大丈夫なのかスタッフが判断に迷ってしまいます。
当日の面会をスムーズにするためにも、事前に面会に訪れる方の名前や人数、時間などを連絡しておくことをおすすめします。
面会の頻度
面会の頻度に関しても、特に決まりはありません。週に何度も訪れる方から、月に1回程度の頻度で訪れる方もいらっしゃいます。
それぞれ都合や事情などがありますので、「できるだけ面会に行かなきゃ」と気負う必要はありません。
あまり頻繁に面会に訪れていると、疲れてしまって面会そのものがストレスになってしまうかもしれません。
面会は無理のない範囲で、負担にならない程度の頻度で大丈夫です。
面会の頻度にこだわり過ぎず、家族で楽しく過ごす機会を持つことが大切にすると良いでしょう。
職員への挨拶
面会の際、
「いつもお世話になっているから……」
と手土産を準備される方が時折いらっしゃいます。
しかし、介護施設ではお土産や贈り物などは受け取ることができませんので、持参する必要はありません。
「いつもありがとうございます」
など、言葉でお礼を伝えるだけで十分です。
面会に来た際は、ご入居者の普段の様子や気になることなど、直接話を聞くこともできます。
ほとんどの介護施設で、ご入居者一人ひとりに担当者がついています。
詳しく話を聞きたいときは、担当者に声をかけてみましょう。
ただし、担当者が必ずいるとは限りません。
ご入居者の様子が知りたい、相談したいことがあるなど、担当者と話がしたいときは、面会に行く予定の日に出勤しているかどうか、事前に連絡して確認することをおすすめします。
2.コロナ対策
介護施設での面会は、上記でも説明したように、これまで比較的自由に行われていました。
しかし、新型コロウナウイルス感染症の流行によって、面会をはじめさまざまなことが制限されています。
面会制限を中心としたコロナ対策や、対面での面会の代替として行われているオンライン面会について説明していきます。
家族・親族との面会制限
新型コロナウイルス感染症は、若い方は軽症で済むことが多いものの、高齢者や基礎疾患を抱えている方が感染すると重篤化する傾向があります*2。
高齢者が集団生活を送っている介護施設は、感染拡大による影響が大きい場所の一つです。
そのため、
・感染症を施設内へ「持ち込まない」
・施設内で「感染症を拡げない」
ための対策をしなくてはなりません。
新型コロナウイルスは飛沫感染や接触感染によって広がるため、近くで会話をしたり、食事をしたりする場面を避ける必要があります。
しかし、こうしたコロナウィルスへの対策は感染予防としては有効なものの、人との交流が制限されてしまいます。
介護施設では流行状況に応じて以下のような対策が行われており、入居者の暮らしに少なからず影響を与えているのが現状です。
【新型コロナ感染症対策による入居者への制限】
・家族・親族との面会制限
・施設内でのボランティアなどによる催し中止
・訪問歯科や訪問美容、訪問マッサージ、訪問販売など訪問系サービスの中止
・アクリル板やアクリル板やパーテーションの設置
これらはすべて、ご入居者にとって“当たり前だった日常”です。
中でも、日々の楽しみや刺激を奪う「外出制限」や「家族・親族との面会制限」は大きなストレスになっており、家族にも不安を与えていることがわかっています。
「面会できないことがつらい」
「認知症が進んだり、体力が低下したりするのが心配」
「このまま会えないと私たちのことが分からなくなるのでは……」
家族からは、このような心配の声が多数上がっています。
スタッフにとっても、感染症を流行させないと同時に、家族が抱える不安や心配への対応に心を配る日々が続いています。
オンライン面会の方法
高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症化するリスクがある以上、流行状況に応じて面会制限などの対応をすべきとされています。
しかし、ご入居者の精神面のケアや家族の不安を解消することも重要です。
イベントを充実させたり、対策をしっかり行った上で面会や外出をしたりと、各施設でさまざまな試行錯誤が繰り広げられています。
その中で導入が広がりつつあるのが、「オンライン面会」です。
オンライン面会では直接面会することなく、スマホやタブレットの画面越しに面会をしてもらいます。
以下、オンライン面会の一例をご紹介しましょう。
なお、オンライン面会の方法は使用するツールや施設での運用方法などによって異なるため、注意が必要です。
・施設にオンライン面会を行いたい旨を伝え、面会時間の予約をしてもらう
・予約時間に施設からビデオ通話をかけて、画面越しに面会する(15分程度)
オンライン面会をするためには、コミュニケーションができるツールが入ったスマホやタブレット、カメラやモニターなどが施設に整備されている必要がありますが、この方法であれば、設定も比較的容易です。
画面越しではあったとしても、お互いに顔が見えるだけで表情がとたんに明るくなります。
耳が遠い方の場合、電話だとなかなかうまく話せませんが、ビデオ通話であれば筆談形式でコミュニケーションをとることも可能です。
注意点として、オンライン面会は全ての施設で対応している訳ではありません。
オンラインだと上手く対応できない高齢者も多く、職員の付き添いが必要になる方もおられます。
普段の業務から、10~15分職員が付きっきりで対応するというのはなかなか困難な場合が多いです。
また、ご家族の個人情報を預かることになる為、個人情報の取り扱いなどの問題も発生します。
オンライン面会の実施が可能かどうか、まずは施設へ相談してみてください。
3.【介護施設の対応事例】ドーミー・クラーチの場合
次に、介護施設ではオンライン面会や会えない家族への情報提供にどのように対応しているのか、具体例を紹介します。
面会制限(ドーミーシリーズ)
ドーミーシリーズでは、面会については対面もオンラインも対応しています。
【対面の場合】
・面会は1回につき2人まで
・場所は居室か相談室、談話室、エントランスロビーのみ
・検温、手洗い・消毒、マスクやフェイスシールドを着用し、問診票への記載が必要
【オンライン面会の場合】
・「zoom」を使用
・面会人数に制限なし
対面・オンラインともに予約制で、時間は25分程度です。
また、同時間帯に1組までなので、早めに問い合わせすることをおすすめします。
ドーミー相模原の取材記事は以下からご覧ください!
ご入居者へインタビューしてみました!
オンライン面会の様子(ドーミー戸田公園Levi)
ドーミー戸田公園Leviでは、海外に住むご家族とオンライン面会をした方がいらっしゃいます。
普段は多くても年に数回程度しか面会ができませんでしたが、オンラインなら時間さえ確保できればいつでも面会が可能です。
対面での面会には制限がありますが、遠方に住んでいるご家族にとっては、逆に距離が近く感じられる機会となりました。
従来は対応していなかったオンライン面会が可能になったことで、ご入居者にとっても楽しい時間が増えました。
ドーミー戸田公園Leviの施設情報はこちら!
SNSを活用した情報発信(クラーチ溝の口)
気軽に面会ができなくなったことで、ご家族がご入居者の様子を知る機会が大きく減ってしまいました。
そこでクラーチ溝の口では、SNSを使って施設内の様子を積極的に発信しています。
食事やイベント、元気に過ごしているご入居者の姿などを写真付きでSNSにアップ。
さまざまな制限がある中でも楽しく過ごせるよう、スタッフ一同で工夫していること、安心して生活できるように感染対策も徹底していることなど、ご家族が知りたい情報を伝えられるように努めています。
4.まとめ
重症化しやすい高齢者を新型コロナウイルス感染症から守るためには、まだ対面での面会制限をつづける必要があります。
しかし、そのような中でも介護施設はオンライン面会に対応するなど、ご入居者やご家族の不安をできるだけ解消する方法を模索しています。
感染症の流行やご入居者の体調などご家族にとっても心配な状況は続きますが、何もできないわけではありません。
まずはオンライン面会について、施設に尋ねてみてはいかがでしょうか。
ココシニアでは、オンラインでの介護施設見学も行っております!
「感染リスクがあって外出は控えているから…」
「見学したい施設が家から遠い…」
「まずは気軽に施設をみてみたい…」
そんな方にはオンライン見学がおすすめです。
参加・申込ともに無料ですので、ぜひ一度試してみてください!
*1厚生労働省「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000137379.pdf
*2東京都福祉保健局「新型コロナウイルス感染症について」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/shingatakorona.html