2021.03.23
孫に入学祝いを贈る場合の相場はいくら?喜ばれる渡し方は?
お孫さんの成長は老後の大きな楽しみのひとつでしょう。
大きくなるのはあっという間で、小学校、中学校…とどんどん進級していきます。
そんな時に、お祝いを贈りたいけれど、現金の場合はいくら位が良いのでしょうか?
また、どんな形で渡せば喜ばれるでしょうか?
ここで紹介していきます。
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1.孫に贈る入学祝いの相場金額はいくら?
入学祝いを考えたとき、このようなことが気になるのではないでしょうか。
・適切な金額であるか
・親の意向に沿っているか
・相手が喜んでくれるか
確かに、お祝いは相手の期待に添いたいところですが、もらう方にとってあまり気が引けるものでは困るという面もあります。
そこで、どの程度が良いのかを見ていきましょう。
相場金額は送り先の関係性と進学先によって異なる
どんなものを贈るのか、いくらくらい贈るのかは、相手が親族なのか、友人の子どもなのかなどによって異なります。
また、小学校、中学校、高校…と進むにつれ、子どもも「欲しいもの」が変化しますし、学校生活でお金のかかる理由も異なります。
孫が小学校に入学する場合の相場金額
お孫さんが小学校に入学する、ランドセルや机を買ってあげたりするおじいちゃん、おばあちゃんは多くいらっしゃいます。
長く使うものですし、親の負担を考えるとこうした物品購入をお祝いにするのも良いでしょう。
ランドセルは安いものでは1万円程度ですが価格帯は広く、中には10万円程度するものもあります。
ランドセル購入の平均価格は53,600円という調査結果があります*1。
金額のひとつの目安になるでしょう。
また、文部科学省の調査では、小学校の教育費ではこのようなものにお金がかかっています(図1)。
図1 小学校での教育費の内訳
(出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf p6
公立小学校では勉強に使う本などの学習用品の負担が大きいようです。
よって、文房具などを買ってあげる、それにプラスして現金や商品券を添える、といった方法もあるでしょう。
孫が中学校に入学する場合の相場金額
次に、中学校の入学祝いです。
先ほどの文部科学省の調査では、中学校に入ると教育費の内訳はこのように変化します(図2)。
図2 中学校での教育費の内訳
(出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf p8
小学校と違うのは、「教科外活動費」つまり部活動などにかかる道具代などです。
また、最近では自分のスマートフォンやタブレットなどを欲しがる世代でしょう。
あるいは、私立であれば制服を買ってあげるというのも良いでしょう。
これらの贈り物から考えると、金額としては数万円〜十万円程度と幅は広がりますが、小学校入学の時よりは本人の意向を反映するような贈り方が良いでしょう。
物品プラス現金、あるいは図書カードなども良いでしょう。
孫が高校に入学する場合の相場金額
高校に進学する場合はどうでしょうか。
文部科学省の調査を見てみましょう(図3)。
図3 高校での教育費の内訳
(出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」)
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf p8
中学校とそう大きな変化はなさそうです。
ただ、高校生になると自分でアルバイトをする機会も出てきます。
また、受験を乗り越えたという達成感もあるでしょうから、「合格祝い」の色も出てくるでしょう。
しかしここはあくまで、通常のお小遣いとは違って「入学祝い」という意味合いを考えると、やはり勉強に使えるものが良いのではないでしょうか。
中学校と同じような数万円という相場観で、商品券や図書カードといった「使うときに贈り手のことを思い出せるもの」もまた良いでしょう。
大学受験という大きなイベントを近くに控えているという事情もあります。
また、中学校と同じ部活を続ける、と言った場合には、よりよい道具を買ってあげる、というのも良いでしょう。
孫が大学に入学する場合の相場金額
さて、大学への入学は小学校に入るとき、あるいはそれ以上に大きな節目です。
よって、それまでよりは大きな金額になりますし、より現実的な支援が好まれるでしょう。
一人暮らしを始める場合は家電セットというのが有力候補です。
数万円から十万円超程度です。
あるいは、可能であれば入学金を支払ってあげるというのもひとつの考え方です。
この場合は、30万円程度の支出になります。
今は国立大学でも入学金や学費は高くなっていますから、親にとってもありがたい援助といえるでしょう。
封筒とのし袋の選び方、書き方、入学祝いの基本マナーは?
現金を入れる袋でも、物品の包装でも、大きな慶事ですから「のし」を添えたいところです。
そこで、「のし」の基本マナーを紹介します。
入学祝いで使われるのし袋
入学祝いは「慶事」ですから、「何度あってもよいお祝い」という意味合いでのしを選びます。
のし袋の書き方〜水引がある場合〜
さて、水引がある場合、入学祝いの場合は「蝶結び」か、地域によっては「あわび結び」が一般的です。何度あってもよいことなので、ほどける結び目にするという意味合いです(図4)。
図4 蝶結び(上)とあわび結び(下)
結び目の上に「御祝」、結び目の下に名前を書いて贈ります。
水引には様々な色合いや本数のものがありますが、封筒の場合は購入時に「いくらくらいを包むためのものなのか」が記載されていることが多いので利用しましょう。
物品の場合は、購入するお店に相談するのが良いでしょう。
のし袋の書き方〜水引がない場合〜
また、上のような水引は少し大げさかな、と思ってしまう場合は、水引のないものを選ぶこともあります。
封筒やのし紙の中央に赤線だけが引かれたものです。
この場合も同様に、赤線の上中央に「御祝」、下に氏名を書きます。
お金の入れ方と中袋の折り方
まず、お金は新札、そしてお札の表面と中袋の表面を合わせましょう。人物の肖像画が表になるように入れてください。
中袋は、封筒状のものと包み紙状のものが入っています。
封筒上の場合はそのまま使い、金額を記入する欄がありますので金額を書きましょう。
住所と氏名も記載します。
包み紙状のものの場合は、のし袋全体の表面にお札の表が来るように注意して、袋から出した状態の折り方に戻します。
金額を記載する欄がない場合は、表面に金額を、裏面に住所と氏名を記載します。金額は「金○万圓也」と漢数字にするのが一般的です。
入学祝いにぴったりなメッセージ例
お祝いの品やお金とともにメッセージを添えたいということもあるでしょう。
例文や、注意点を紹介します。
孫が小学校に入学する場合のメッセージ例
本人が読めるよう、ひらがなで書くのが良いでしょう。
電報の例文を参考にしますと、メッセージ例にはこのようなものがあります*2。
これらをアレンジして、「○○くん」「○○ちゃん」と書くのも良いでしょうし、なにか物品を送った場合は「おじいちゃんとおばあちゃんがおくったつくえでがんばってべんきょうしてね」というのもありでしょう。
孫が中学校・高校に入学する場合のメッセージ例
中学、高校の場合に参考になりそうなものとしては、このような電報例文があります。
なお、受験を経て入学している場合は第一志望だったかどうかも含め、入試突破をお祝いするメッセージにしても良いでしょう。
孫が大学に入学する場合のメッセージ例
大学に入ると、第一志望であったかどうかはもっと大きな関心事になります。
大人の自覚を持ってもらえるような口調にするのも良いでしょう。
まとめ
それぞれのお祝いが、人生にそう何度もあるものではない節目です。
贈る方も贈られる方も気分良く、また、本人が「これをもらったから頑張るぞ」という気持ちになることが大切です。
特に受験を経て入学した場合、第一志望だったかどうかは、入学前のお孫さんはとても気にするところですが、もし第一志望でなかったとしても、うまく励ましてあげるようにしたいところです。
また、特に小学校入学に多いのですが、なにか物品を買うと言うとき、父方のおじいちゃんおばあちゃん、母方のおじいちゃんおばあちゃんが同じものを買いたい、となった場合親が困ってしまいます。
父方のおばあちゃんのランドセルの色の価値観を押しつけられて母親が激怒した、ということもあるようです。
孫はかわいいもので、ついいろいろなことをしてあげたくなりますが、お孫さんが喜ばなければ意味がありません。
どうしていいかわからない場合は、事前に親である息子・娘と話をして調整することはとても大切です。
お孫さんのためにある「入学祝い」ですから、気持ちが入りすぎないように注意することもまた必要です。
素敵なお祝いがお孫さんに届き、「がんばるぞ」という気持ちになってもらえると良いですね。
お孫さんの入学祝いを通じて感じる幸せ。
「楽しい」「嬉しい」「幸せ」といったポジティブな感情をいだくことは、心身の健康を保つうえでとても大切です。
生きがいを持つことは、健康で長生きするために重要なポイントです。
生きがいと健康状態について、以下の記事で詳しく解説しております。
ぜひ、こちらも読んでみてください!
*1 一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査 2020年」
http://www.randoseru.gr.jp/graph/
*2 KDDIグループサービスでんぽっぽ「文例集」
https://www.denpoppo.com/ex-message/oiwai/entrance.html