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槌井 渉

槌井 渉
つちい わたる

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野村 富⼠⼦
のむら ふじこ

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  • 認知症の最後はどうなる?症状や余命、介護の方向性から認知症終末期について解説します。

2021.06.11

認知症の最後はどうなる?症状や余命、介護の方向性から認知症終末期について解説します。

空を見上げている高齢男性の写真

「ターミナルケア」という言葉があるように、人生の終末期や病気の終末期について考える機会は増えています。

65歳以上の高齢者が増加傾向にある日本において、高齢者の7人に1人が認知症であるという現状であり、脳機能障害である認知症の方が、最後どうなっていくのか気になるという方や、ご家族のなかで認知症の予後について知りたいという方がいらっしゃることでしょう。

今回は、認知症の終末期に関する情報を「終末期にみられる症状、認知症の余命、認知症の進行過程」の3つの切り口から解説します。

1.認知症の最後はどうなる? 終末期の症状

【アルツハイマー型認知症】終末期の症状

アルツハイマー病をはじめとする認知症は、進行性の難病であり、認知機能が完全に失われその後死に至ります。

認知症の最終段階である6ヵ月から2年の間には、てんかん、嚥下障害、食事に対する興味の喪失などが起こることが特徴的です。

ここでは、アルツハイマー型認知症の終末期にみられる症状について解説します。

  • ・てんかん
    1日に何度も発作が起こる。嗅覚幻覚や自動運動を伴うことがあり、脳の機能障害を示す。65歳以上のアルツハイマー病患者は、てんかんのリスクが最大で10倍になるといわれている。

  • ・嚥下障害
    食べ物を飲み込むことができなくなる。食べるとむせる、食後に痰が出る、食事が口からこぼれる。咀嚼筋の衰えにより、形があるものを噛んで飲み込むことができない。

  • ・食欲
    食欲不振、食事への関心がなくなる、食べても美味しいと感じない。食欲がなくなるため、栄養を摂取せず、意図しない体重減少(1ヵ月で5%以上、6ヵ月で10%以上)が起こる。弊害として、水分不足の結果、尿路感染症になる方もいる。

  • ・異常行動
    徘徊や異食、弄便など、周りの人を困らせてしまう。奇声をあげたり、介助の手を離したり、周りが「どうしてそのようなことをするの」と思う行動をするようになる。落ち着きのなさが目立つ。

  • ・痛み
    6ヶ月を境に急性と慢性に分かれており、軽度の痛みから、重度の痛みまでさまざまである。終末期に近くほど痛みが強くなる可能性がある。


その他にも、人生最後の90日間において以下の症状が確認されています(表1)。

不安 緊張、一時的に生じる不快感または脅威
無気力 意欲の欠如が認知、行動、感情のすべてに現れる
移動障害 身体や車椅子を意図的に自立して使用する能力の欠如
焦燥 緊張が高まり、頻繁に質問したり、文句を言ったりするなどの精神運動が活発になる
抑うつ 疲労感、無価値観、集中力や決断力の欠如
睡眠障害 日常生活に影響を及ぼす睡眠時間および睡眠の質の低下
感染症 感染が確認され、発熱などの感染の兆候
褥瘡 皮膚の炎症

表1 終末期の症状 
(A. Koppitz,et al.,Type and course of symptoms demonstrated in the terminal and dying phases by people with dementia in nursing homes, 48(2015), 176–183より作成)

【アルツハイマー型認知症】死の前兆

認知症の終末期にみられる死の前兆として、以下の症状が挙げられます。

 

  • ・呼吸異常
    酸素の取り込みが少なるため、顎と喉の筋肉を動かして酸素を取り込もうとする。あえぐような状態で下顎呼吸を行う。本人は恍惚状態に陥るため、苦しさを感じない。

  • ・意識の低下
    周りの状況を認識することができず、意識が朦朧と低下している状態。

  • ・チアノーゼ
    血液中の酸素の減少により、唇や手足の末端などの皮膚が、青白く変色する状態。

  • ・性格の変化
    やがて自分の死を受け入れるように穏やかな性格になることがある。性格と共に、呼吸も穏やかになる。


このように、死の前兆としてさまざまな症状があらわれますが、死期が迫っているにもかかわらず、「人生の最後の1週間において、認知症患者の心理社会的ストレスは減少する」と報告されています。

この理由は、認知症患者にとって、死の直前よりも、日頃の生活(終末期始まりたて)のほうが心身共にきついためではないか、と考えられています。

また、最後の1週間は、死期が近いことを聞きつけた家族や友人などによる訪問数が増えることで、認知症患者の安心感が増えるため、それがストレスの減少につながるのではないかともいわれています。

【アルツハイマー型認知症】死因

認知症の死亡率は、一般の高齢者に比べて高く、重度のアルツハイマー病型認知症では、肺炎での死亡が多く、軽度のアルツハイマー型認知症では、脳卒中や心疾患などによる循環器疾患が多いことがわかっています。


以下に代表的な死因を挙げました。

  • ・気管支肺炎
    肺の中を通る気管支の先に存在する肺胞が炎症を起こしている状態。熱、息切れ、せき、だるさ、胸の鋭い痛みと共に、呼吸困難が生じる。

  • ・摂食障害
    重症認知症になると、嚥下障害などの合併症が増加する。認知症の中核症状により、目の前の食べ物を食べ物と認識することができず、食事を摂取することができなくなる。

  • ・虚血性心疾患
    動脈硬化により血管が狭くなる、もしくは閉塞して血液が循環しなくなってしまった状態。激しい胸の痛みが生じる。

2.認知症の寿命、余命、生存年数の関係性は?

アルツハイマー型認知症の寿命

寝たきりの女性の写真

アルツハイマー型認知症患者の寿命は、認知症診断時の年齢に大きく依存するといわれており、疾病の進行する速度は人によって異なります。

最近の研究によると、60代および70代前半で診断された認知症患者の平均寿命は7~10年、90代で診断された患者の平均寿命は3年以下と報告されています。

アルツハイマー型認知症の余命

アルツハイマー型認知症患者の平均余命は、3年から10年の間で変動します

しかし、余命に影響を与える因子が多いため、予後を定義することは難しいのが現状です。

アルツハイマー型認知症の生存年数に関係することがら

認知症と診断された後の生存率は、認知症患者やその家族にとっても重要な情報です。


認知症患者の寿命や余命には個人差がありますが、最近の研究では、認知症の生存年数に関係をもたらす因子も明らかになりつつあります。

ここでは、現段階で報告されている、生存年数に関する因子について解説します。

以下の症状を伴う認知症患者は特に進行が早いといわれています。

  • ・歩行障害
    前のめりになって歩く。よろよろと歩く。歩幅が迫り狭い。歩行速度や歩行距離が低下している。

  • ・糖尿病
    太り過ぎである。手足の感覚が低下する。目が霞む。空腹感や喉の渇きがひどい。家族に糖尿病患者がいる人は注意。

  • ・精神行動症状
    一人で歩き回っている。怒りっぽい。幻覚をみている様子。意欲がなく元気がない。

現在、ホルモン補充療法や抗炎症薬の投与など、いくつかの認知症予防法が研究されています。

これらの予防法がアルツハイマー型認知症の発症を少しでも遅らせることができれば、認知症に起因する人口の障害年数を大幅に減らすことができるでしょう。

3.認知症の進行経過と過程


悩み事を抱えているミドル女性

認知症の方の予後に関する知識を深めることは、特に認知症患者のケアプランを改善し、医療上の意思決定を支援するために、最も重要であると考えられます。

ここでは、アルツハイマー型認知症の発症から初期、中期から末期にかけての認知症進行経過を解説します。

【アルツハイマー型認知症】発症から初期の進行経過

アルツハイマー型認知症患者の臨床的特徴として、「自覚症状の欠如」が挙げられており、アルツハイマー型認知症と診断された人のかなりの割合で見られます。


初期症状はさまざまですが、顕著な特徴として記憶障害がみられます。

もの忘れ、置き忘れ、ついさっき話したことを忘れるといったことが多くなり、経験した出来事による記憶であるエピソード記憶を忘れてしまうことも多々みられます。
また、「財布を盗まれた」など、人を疑うことも増え、本人が大切にしていた趣味にも無関心になる傾向がみられます。

アルツハイマー型認知症患者は、自覚症状がないため、周囲の方の観察力が早期発見につながります。

【アルツハイマー型認知症】中期から末期の進行経過

中期から末期の認知症段階では、神経学的な障害が頻繁に発生し、思考、知覚、感情、行動などの障害が顕著になるため、日常生活の動作に介護が必要となります。


中期の症状では、場所や時間がわかりなる、見当識障害が顕著にみられます。

また徘徊や妄想が増え、料理や買い物などの日常生活における行動でもミスが目立つようになります。
食事、入浴、着替えが自分でできなくなるため、認知症における介護のなかで最も大変な時期といわれています。

認知症の末期では、家族のことがわからなくなったり、会話や排泄ができなくなったり、寝たきり状態に移行する時期となります。

4.認知症と終末期の付き合い方


寄り添うヘルパーの写真

認知症が終末期になると、上記「1.認知症の最後はどうなる?終末期の症状」で紹介した症状が顕著になり、身体が徐々に衰弱していきます。

終末期は、認知症患者にとっても、ご家族にとっても大変で辛い時期です。

終末期の認知症患者との付き合い方として、不安を抱えている認知症の方が孤独感を持つことのないように、笑顔でそばにいてあげたり、話を聴いてあげたりすることを心がけてください。

終末期になると、身体の痛みも顕著になり、身体や脳が思うようにはたらかないことが精神的にとても辛くなります。
また、人は死を意識したとき、人生に対する後悔や現状の辛さを感じるようになります。

そんな認知症の方に寄り添って、共感してあげることは、認知症の方にとって安心感を与えることになります。
話を聴いてあげる際は、「そんなことがあったのですね」「どう感じましたか? 」と意見を肯定してあげたり、気持ちを言語化させてあげたりすることが大切です。

また、介護されている方は、介護の負担を一人で背負い込まないように、関係者で少しずつ分業することをおすすめします。
最近は、介護ブログや認知症カフェなど、介護と向き合う方々が交流する場も増えています。

進行していく認知症の介護と向き合うことはそう簡単なことではありませんが、同じ境遇の方の動向を知り、気持ちを共有することで、介護されている方の気持ちが少しでも癒されることでしょう。

5. まとめ


今回は、認知症の終末期に関する情報を「終末期に見られる症状、認知症の余命、認知症の進行過程」の3つの切り口からご紹介しました。

認知症は進行していくものです。
大切な家族の終末期や、死期を考えることは辛いことです。

しかし、終わりを迎えるときに、ご本人も家族も笑っていられるように、事前に進行していく症状の知識を得て、心構えをしておくことは大切です。

認知症のもっとも大きな特徴である記憶障害と見当識障害。
これらの症状がどのように進行していくのか、以下の記事で詳細に解説しております。

ぜひこちらも参考にしてください。


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