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槌井 渉

槌井 渉
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2021.08.06

ADL(日常生活動作)とは?評価方法と低下させないポイント

ADLを評価する医師の写真

ADL(日常生活動作)とは、毎日の生活を送るうえで欠かせない食事や入浴、トイレなど、日常的な動作のことです。

高齢者が自立した日常生活を営めるかどうかを評価する尺度でもあります。

ここでは、ADLとはどういったもので、どうして大切なのか、低下すると何がいけないのか、高齢者にとってのADLの意味などについてお伝えします。

ADLとは何か?高齢者における、ADLの低下とは?

ADLとは、「Activities of Daily Living 日常生活動作」の略です。

ADL(日常生活動作)とは その意味、定義

ADLとは、具体的には食事や歯磨き、着替え、トイレ、入浴など、日常生活を送るのに必要な動作を指します。

ADLは日常生活に必要な動作そのものを意味すると同時に、要介護認定の調査項目にも使われ、日常生活をどれくらい自力で送れるかの尺度を示しているものでもあります。

例えば食事なら、自分で食べているか、食べこぼしがあるか、何を使っているか(箸やスプーン)、時間がどれくらいかかるかなどが評価されます。

リハビリテーションや機能回復訓練の効果を測定するときにも使われます。

高齢者のADL低下のリスク

ADLの低下は、日常生活動作を思うように行えなくなることを意味し、心身の機能や他の人とのかかわりにも影響します。

高齢者にとっては、日常生活を自力で送りにくくなることで、自力で生活することへの気力を失わせたり、社会参加の妨げになったりします。

次第に引きこもりがちになり、ひいては寝たきり状態など高度の介護を必要とすることにつながります。
ADLを低下させないことは、高齢者の介護予防や生活の質を保つうえで非常に重要です。

ADL低下に大きな影響のある4つの因子

ADLの影響因子のイメージ

ADL低下に大きく影響する因子は4つあるとされています。

身体機能

身体機能とは、文字そのままで体の動きのことです。
疾病の後遺症などによる麻痺や拘縮(関節の動きが悪くなっている状態)、立ち上がり、歩行、視聴力などの基本的な動作や能力に加えて、食事やトイレ、入浴などの生活に必要な動作をさします。

認知機能

認知機能とは、意思伝達力や理解力、記憶力のことです。
自分の名前や生年月日が言えるか、自分がしてほしいことを言葉で伝えられるかなどが挙げられます。

精神面

精神面とは、感情が安定しているか、突然大きな声を出すことがあるか、物を壊したりすることがあるかなどです。

社会環境

社会環境とは、買い物や簡単な調理ができるか、お金の管理ができるか、自分で薬が飲めるかなどをさします。

ADLが低下すると、それを支える身体機能や認知機能、精神面、社会環境すべてに影響を及ぼす可能性があります。
そのため、ADLがなるべく低下しないように、リハビリテーションや機能訓練などで機能を向上、維持することが必要です。

ADLの種類は2つ。それぞれの評価方法は?

ADLの評価方法のイメージ画像

ADLには、基本的日常動作(BADL)と手段的日常動作(IADL)という2つの種類があります。
その違いとそれぞれの評価方法を見てみましょう。

基本的日常生活動作(BADL)

基本的日常動作(Basic ADL=BADL)とは、日常生活に欠かせない基本的な動作のことです。
その評価方法にはいくつかの種類があり、カッツインデックスやバーセルインデックス、DASC-21が代表的といえます。

カッツインデックス(Katz Index)では、「入浴、更衣、トイレの使用、移動、排尿・排便、食事」の6つの項目を自立または介護の程度で点数化し、A~Gの7段階に評価します。

カッツインデックスの指標

バーセルインデックス(Barthel Index)では、「食事、車椅子からベッドへの移動、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、排尿コントロール」の10項目を合計100点として評価します。

バーゼルインデックスのイメージ参照:一般社団法人 日本老年医学会 高齢者の機能評価 ADL評価法:Barthel index


DASC-21(ダスク21)
は、粟田主一先生の研修を受けた専門職が、高齢者の認知と生活の機能障害を把握・評価し、認知症を検出して、その重症度を評価するアセスメントツールのこと。

「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート」とも呼ばれ、認知症の段階の判断に使われる評価方法です。

21の質問に対し、それぞれどの程度できるかを点数化、84点満点で評価します。

手段的日常生活動作(IADL)

手段的日常生活動作(Instrumental ADL=IADL)とは、BADLよりも複雑で高度な動作のことです。
具体的には、買い物や洗濯、電話、薬やお金の管理、乗り物に乗り降りするなどの動作をさします。

IADLにもいくつかの評価方法があり、代表的なものとして挙げられるのは、ロートンの尺度、老健式活動能力指標 DASC-21です。

ロートンの尺度では、電話や買い物、服薬管理など8分類31項目から評価します。男性と女性で評価項目が異なり、女性には「食事の準備、家事、洗濯」があるのが特徴です。

手段的日常生活動作(IADL)尺度参照:一般社団法人 日本老年医学会 高齢者の機能評価 手段的ADL評価法:Lawtonの尺度

老健式活動力指標では、13の質問に「はい」か「いいえ」で答えます。性別と年齢で点数の平均値があり、それに照らし合わせながらIADLを評価します。

老研式活動能力指標参照:一般社団法人 日本老年医学会 高齢者の機能評価 手段的ADL評価法:老研式活動能力指標

FIM 機能的自立度評価法とは

日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要参照:厚生労働省(参考)日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要

FIM(Functional Independence Measure)とは、機能的自立度評価法のことで、代表的なADL評価法のひとつです。

どれくらい自力で日常生活を送ることができるのかを、運動ADLと認知ADLという大きな2つの項目に分け、介助の必要度(7段階)に応じて点数化します。

運動項目

運動項目は、4種類13項目です。「セルフケア」「排せつ」「移乗」「移動」という4つの分類があります。

セルフケアは6項目で、食事や着替え、入浴(洗身や洗髪)などがあります。

排せつは2項目、排便と排尿コントロールです。移乗には3項目あり、ベッドや椅子、車椅子の間を往復する動作、便器への乗り降り、浴槽をまたいで入る動作を評価します。

移動は2項目で、歩行や階段の昇り降りです。

認知項目

認知項目は、2種類5項目です。
「コミュニケーション」「社会認識」という2つの分類があります。

コミュニケーションは理解と表出の2項目で、言われていることが分かるかどうかと自分の言いたいことが言えるかどうかを意味します。

社会認識は、社会的交流、問題解決、記憶の3項目です。
社会的交流ではほかの人とのかかわりを、問題解決では喉が渇いたらどうするかなどの日常的な問題への対応を、記憶では、昔の記憶ではなく今必要なことを覚えていられるかを見ます。ADLレベルのイメージ


FIMとバーセルインデックスは、どちらも同じADLの評価法ですが、大きな違いがあります。

それは、バーセルインデックスが能力を評価する「できるADL」を評価することに対し、FIMは実際におこなっている「しているADL」を評価するという点です。

リハビリを受けてできるようになることを目指すのが「できるADL」で、そこからもう一歩進み自分で積極的に続けられるようになることを目指すのが、「しているADL」ともいえます。

ADLとN-ADLの違い

ADLと一緒によく使われる、N-ADLやQOLという用語。それぞれにどのような違いがあるのか、きちんと理解をしておきましょう。

N式老年者日常生活動作能力評価尺度(N-ADL)

N-ADLとは、N式老年者用日常生活動作能力評価尺度と呼ばれるADL評価法のひとつです。

高齢者や認知症患者のADLを行動面から評価する尺度で、精神面から評価するNMスケールと合わせて使われます。

医療・看護、介護の現場でのADL

リハビリテーションの役割分担のイメージ参照:厚生労働省(参考)日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要


ここまでADLの意味や定義、種類、評価法などについて見てきました。
ここでは、医療や看護、介護の現場はADLにどのようにかかわっているのか、その役割を確認してみましょう。

急性期、回復期 リハビリ、訓練でのADL

ADLの評価は、医療や看護、介護の現場でも活用されています。
高齢者にとってADLが特に重要になるのは、怪我や病気などでADLの低下が心配されるときです。

症状の出はじめや急な変化が起こるかもしれない時期(急性期)と、山を越えて回復に向かう時期(回復期)では、リハビリや機能訓練を通してADLを向上させます。

退院したあとも生活は続きますから、できるだけ多くのことを自力でできるようにしなければなりません。

維持・生活期

急性期と回復期を経たあとは、維持・生活期に入ります。

退院し、施設や在宅での介護を通してADLの維持、向上を目指します。
介護施設に入所する場合や、在宅で通所、訪問リハビリテーションを受ける場合がありますが、維持・生活期ではADLを低下させずに維持するようにします。

ADL低下を予防するために

ADL低下を予防するために、ADLと密接にかかわる、ロコモティブシンドロームとフレイルについて理解しておきましょう。

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とADL

ロコモティブシンドロームは、移動するための能力が衰えたり、不足した状態を指す言葉です。
ロコモ状態になると、ADLの動作である、移動や移乗、階段昇降などが難しくなります。

また移動動作が不安定になると、転倒や骨折などしやすくなります。
転倒や骨折は、認知症、脳血管疾患と並ぶ要支援、要介護状態になる大きな原因での一つです。
参照:内閣府 平成30年版高齢社会白書 

ADLの低下の前段階としてのフレイル

フレイルとは老年医学の用語の、「脆弱」「老衰」「虚弱」などを意味する「Frailty(フレイルティ)」に由来している言葉で、加齢によって心身が衰え、活動量が全体的に低下した状態のことをいいます。

ロコモは身体機能(移動する機能)の低下した状態ですが、フレイルは身体的な衰えだけでなく、精神・心理面、ひいては社会生活の分野においても、活動面が低下した状態です。

フレイル状態をそのまま放置しているとADL障害、つまり日常生活動作が思うようにできなくなり、やがて要支援・要介護状態に陥ってしまいます。

フレイルやロコモについての詳細はこちらの記事も参照ください。
【わかりやすいイラストで解説】高齢者が陥りやすいフレイルとは?対策方法を学んで予防に取り組もう!

ADL低下を予防するために

年齢を重ねることは止められませんが、意識的に暮らすことでロコモやフレイルを予防し、長く自立した暮らしを続けることはできます。

例えば、筋肉の維持に必要なたんぱく質、不足しがちなビタミンミネラルを積極的に摂る食事をしたり、生活習慣の中に運動を取り入れるなどです。
また、積極的に人とコミュニケーションを図れるよう、社会参加をしていくなどです。

家族から見ていると、一つ一つの動作が遅くなったり、転倒が心配だったり、老化と思われる兆候が見られ、つい心配だから、時間がないからと代わりにやってしまったり、やらせなかったりすることは、ADL低下につながります。

危険のないように、時間をかけてでも、自分でできることは自分で行う。
そうして日々の生活を自らの力で行い、できるだけ運動を取り入れたりや社会参加を続けていくことで、体も心も自立した暮らしが続けられ、要支援・要介護状態でない健康寿命が長くなります。

ADLの維持と向上がQOL(クォリティオブライフ)につながる

QOL(Quality of Life)とは、生活の質という意味。
生活の質を評価するものでもあり、高齢者が老後を幸せに暮らすために欠かせない考え方です。

日常生活は、QOLに大きく影響します。
ADLを維持、向上させることがQOLをも高めることにつながっていくのです。

QOLについては、こちらの記事も参照ください。
QOL(クォリティオブライフ)とは? 幸せな老後の考え方

高齢者にとって、ADLの維持向上は欠かせません。
日常生活動作ができ、より長く自立した生活を送ることが幸せな老後につながります。

また、生活環境も高齢者にとっては大切な要素のひとつです。
自立した生活はできているものの、今後を考えると不安という方は、施設への入居を検討することも一案です。

施設ではスタッフによる適切なサポートが受けられるため、多少の機能低下があっても安心して生活ができますし、同じ高齢者との交流や、レクリエーションなどの活動を通じて、ADLの向上にも繋がります。

施設への入居を検討されているなら、ココシニアの「幸せサポートシステム」へ。
丁寧なヒアリングとAIを駆使した施設選び、ご入居後のアンケート調査でご入居者様の幸福度をサポートします。

親のことを想うなら、ココシニア一択。その理由は、ココシニア独自の「幸せサポートシステム」

この記事の監修者

淑徳大学卒業。介護業界歴12年。ヘルパー、特別養護老人ホーム、通所介護の相談員、ケアマネジャーを経て、2018年にケアマネジャー事務所を立ち上げ。千葉県の長生郡市、横芝光町にて居宅介護支援事業所の運営や管理者兼ケアマネジャーとして実務も担う。2019年に介護教員の免許を取得して以降は本格的に介護教員をしながら、新人教育に携わる。現在は、介護事業経営支援や起業コンサルティング、就職相談を展開中。地域密着型通所、通所介護、居宅、放課後デイでの起業支援実績がある。​

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